FIAが、車高を安定させ、パフォーマンスを向上させるシステム、FRICサスペンションを禁止する考えであることが分かった。来年への延期に全チームが賛成しなければ、次戦ドイツGPから違法とみなされる。
FRICサスペンションとは“フロント&リヤ相互作用”サスペンションで、車高の安定性を向上させるため、前後のサスペンションを油圧で連結したシステム。
情報筋によると、FIAは今週火曜、チームに通知を出し、ほぼ全チームのFRICシステムのデザインを調査した結果、これらが規則に反している可能性があるとの公式見解に至ったと知らせたということだ。
F1レースディレクターのチャーリー・ホワイティングによると、このサスペンションシステムがピッチおよびロールを制御するやり方が、可変空力デバイスを禁止する、F1テクニカルレギュレーション第3.15条に違反している可能性があるということだ。
このシステムのコンセプトは、2008年に当時のルノーチームが最初に導入、その後、メルセデスがこれを発展させ、現在は非常に複雑なシステムを利用しているといわれる。
FIAは今年のマシンはFRICの使用を前提としてデザインされているため、全チームの同意を得られれば、禁止を2015年からに遅らせる用意があるとして、チーム側に来年からの禁止にするかどうか、投票を行うよう求めた。
延期には全会一致が必要であり、ひとつでもFRICの禁止が自身のメリットになると考えるチームがあり反対すれば、禁止を遅らせることができなくなる。ホワイティングによれば、満場一致での合意に至らなければこのシステムはドイツGPから禁止となり、次戦FRICを使用しているチームは規則違反とみなされる可能性があるということだ。