レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーが、イギリスGP決勝でのセバスチャン・ベッテルとフェルナンド・アロンソのバトルを称賛し、ふたりは相手がトラックリミットを守っていないと主張し続けたにもかかわらず、罰することなく戦わせたFIAについても褒め称えた。
アロンソはピットから出てきたベッテルをコプスでアウトからパスして5位に浮上、その後、ふたりは13周にわたって激しいバトルを繰り広げ、最終的にベッテルがオーバーテイクに成功した。
彼らのスリリングなバトルは称賛を集めているが、一方でバトル中にふたりが無線で相手がトラックリミットを越えて走っている、スペースを残さなかったなどと激しく非難し続けていたことにも大きな関心が向けられていた。
ホーナーは、ふたりは激しいバトルを繰り広げながらも互いにフェアだったと称えている。無線で非難し合うことになったのは、厳しい規則が導入された影響であり、プロのレーシングドライバーなら相手の違反の可能性を指摘するのは当然のことであるとの考えを示した。
FIAはイギリスGP土曜朝に、予選でターン9(コプス)とターン18(クラブ)でコース外に出た場合、正当な理由がない限りタイムを取り消すこと、決勝においてもこのコーナーでコース外を使い利益を得たと考えられる場合には審議を行うと、チーム側に言い渡していた。
「ふたりは非常に激しく戦っていた。最高のレーシングだった」とホーナー。
「問題は、トラックリミットについての規則が導入されたことだ。ふたりともプロなので、互いの誤りを指摘するのは当然のことだ」
レッドブルは、アロンソがコプスとクラブでトラックリミットを守っていないとFIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティングに報告はしたものの、ふたりとも罰を受けずに済んでよかったと、ホーナーは述べている。
「ふたりともぎりぎりだった。似たり寄ったり、お互い様という感じだ」とホーナーは言う。
「彼らを罰するのは間違いだったと思う。フェルナンドはターン9とターン18で常に利益を得ていて、セバスチャンはそれを逐一指摘していた。そしてセバスチャンはフェルナンドを抜くためにやれることすべてをやっていた」
「その件について我々はチャーリーに報告したし、フェラーリの方もセバスチャンの件について報告していたはずだ。でもFIAとスチュワードはドライバーたちを走らせ、レースを続けさせた。彼らに敬意を示したい」