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ハミルトンが母国V。ロズベルグは今季初リタイア/F1イギリスGP 決勝

2014年07月07日 01:00  AUTOSPORT web

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2014年F1第9戦イギリスGPは6日(現地時間)、シルバーストン・サーキットで52周の決勝レースが行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが今シーズン5勝目、通算27回目となるトップチェッカーを受けた。ケータハムの小林可夢偉は15位でフィニッシュしている。

 イギリス・モータースポーツの聖地、シルバーストンで行われた50回目のイギリスGP。土曜日の予選は、典型的なブリティッシュウエザーの影響でフェラーリとウイリアムズの4台が後方に沈むなど波乱の結果となったが、決勝日は一転、雲の切れ間から青空ものぞく穏やかな天候となり、終始ドライコンディションのなかで行われた。

 しかしレースはオープニングラップでキミ・ライコネンが大クラッシュ。これにフェリペ・マッサ、小林可夢偉、マックス・チルトンが巻き込まれる形となり、F1出走200戦目のマッサはレース続行を断念。可夢偉はマシン修復が叶ったものの、マルシャのチルトンは赤旗提示中にピットインしたとしてドライブスルーペナルティをうけてしまった。

 破損したガードレールを修復するため、およそ1時間の赤旗中断を経てレースは再開。ここでうまいリスタートを決めた首位のロズベルグは、後続のライバルを一気に引き離しにかかるが、4周目には4番手から再スタートを切ったハミルトンがジェンソン・バトン、ケビン・マグヌッセンとマクラーレン勢を立て続けにオーバーテイクし2番手に浮上。これでレースをリードすることとなった2台のメルセデスは、そこから他のマシンより最大2.5秒も速いペースでマッチレースを繰り広げていった。

 タイトル争いを繰り広げるふたりのバトルは、最初にロズベルグがピットストップを行う。それまで5秒以上のギャップをキープしていたロズベルグは10周目以降、ハミルトンの追い上げを許す中、18周目に素早い作業でコースに復帰する。一方、24周目まで最初のスティントを引っ張ったハミルトンは、左リヤタイヤの作業に手間取り、その差を縮めることはできなかった。

 再び5秒差で迎えたセカンドスティント。だがピットアウト直後からダウンシフトの不調を訴えていたロズベルグは29周目にギヤボックスのトラブルを発症しスローダウン。為す術もなくグラベルにマシンを止めたロズベルグは、今シーズン初のリタイアを喫してしまった。

 これでライバルがいなくなったハミルトンは、2番手を走るウイリアムズのバルテッリ・ボッタスに40秒近い差をすでにつけており、レース後半は完全なクルージングモードに。41周目に2回目のピットストップを行ったハミルトンは、1ストップ作戦のボッタスに30秒もの大差をつけてトップチェッカー。5月のスペインGP以来、実に2カ月ぶりの勝利となる今シーズン5勝目を母国ファンの前で挙げ、選手権リーダーのロズベルグにも4ポイント差まで迫った。

 2位のボッタスは14番手からのスタートだったものの、オープニングラップで9番手に浮上すると、その後はコース上でオーバーテイクを連発し、16周目までにメルセデス以外のトップに浮上。中盤以降は単独でレースを進め、そのまま2位でチェッカーを受けた。

 3位はダニエル・リカルド。終盤彼は同じ1ストップのバトンに追い上げられる苦しい展開となったが、なんとか最後までタイヤをもたせ1秒差でマクラーレンを振り切った。

 4位バトンに続いたのは、レッドブルのセバスチャン・ベッテル。予選2位だったベッテルはスタートに失敗し、5番手からの再スタートとなったが、レース終盤は一旦オーバーテイクを許したフェルナンド・アロンソを激しい攻防の末に攻略、現役チャンピオンの意地を見せ、価値ある5位を得た。アロンソはグリッドをはみ出したことによる5秒ストップペナルティーが痛かった。