オランダの学生研究チームが、2017年以降のル・マン24時間参戦を目指して革新的なレーシングカーの設計、開発を行っている。
オランダにあるアイントホーフェン工科大学、そしてフォンティス応用科学大学の学生による研究チームが設計・開発を行っているのは、『IM01』と命名されたハイブリッド車両だ。このプロジェクトでは、革新的な技術を搭載したマシンのための特別枠“ガレージ#56”から17年のル・マン24時間に参戦することを目指しているという。
IM01は、4輪それぞれがモーターと接続された4WD車両となっており、ブレーキング時の運動エネルギー回生と、レンジエクステンダーとして搭載されたロータリーエンジンでバッテリーを充電する。このエンジンに関しても、60%を超えるエネルギー効率を目指しているという。
また、LMP1カーに近い速度を実現するため、空力にも重点が置かれており、モーターやエンジンで発生した熱も、F1で用いられていたブロウンディフューザーのような形で空力的に利用される。マシンのデザイン的に、前方以外のアングルに関してはカメラからの映像で確認する形になるという。
現在、約50名の学生がこのプロジェクトに携わっており、今夏にはその第一の結果が明らかになるようだ。研究チームは今夏、『IM/e』と名付けられたオープンホイールのテストカーを用い、電気的な面のコンセプトを確認するためのテストをルクセンブルグで行うという。
17年のル・マン参戦を目指しているIM01だが、15年の秋には実際のサーキットでのテストを行うプランとなっており、ニュルブルクリンクでのテストを計画しているという。なおIM01は、ル・マン24時間への参戦とともに、ステファン・ベロフが1983年にポルシェ956でマークした6分11秒13というノルドシェライフェのレコードを更新することも目標として掲げている。