3日、世界中のモータースポーツメディア向けに、『TC3インターナショナルシリーズを2015年に向け発表する』というプレスリリースが送付された。メールによれば、「新たなツーリングカーレースのピラミッドを築く」ものになるという。
現在、世界的なツーリングカーレースシリーズとしては、WTCC世界ツーリングカー選手権が行われているが、まったく同じ規定として行われているシリーズはなく、近い規定として他にBTCCイギリスツーリングカー選手権やCTCC中国ツーリングカー選手権などが存在。他のツーリングカーレースとしてはDTMドイツツーリングカー選手権やSTCCスカンジナビア・ツーリングカー選手権、イタリアのスーパースター・シリーズなどがあるが、これらの規定はまったくWTCCとは異なる。
今季からWTCCでは、オーバーフェンダーなど車両に大幅な改良を加えることができる新規定が採用され、シトロエンやホンダ、シボレーなどが新規定車両を導入。一方、旧規定の車両も参戦が可能で新規定車両は『TC1』、旧規定車両は『TC2』とクラス名が付けられている。
そんな中発行された『TC3インターナショナルシリーズ』立ち上げのプレスリリース。既存のレースオーガナイザーやメーカーの名が発行者として記載されている訳ではないが、TC1、TC2に次ぐシリーズを世界的に立ち上げ、新たなツーリングカーのステップアップ構造を目指していくという。リリースは以下のように始まる。
「『TC3インターナショナルシリーズ』と名付けられた、新たな国際的なグローバルツーリングカーチャンピオンシップを紹介しよう。このレースは2015年に向けてアナウンスされる。エキサイティングな新シリーズは国内から地域、国際的なレベルで争うことができ、“ツーリングカーのピラミッド”を再構築することを狙いとしている。また、FIAフォーミュラワン世界選手権のいくつかのレースでサポートレースとして開催される」
リリースによれば、新しいTC3車両は印象的な外観をもつだけでなく、強力なパフォーマンスを示すという。また、開発およびランニングコストはプライベートチームにも参加しやすいように厳しいコストキャップの下に置かれるとしている。
また、現在世界的に成功を収めているスポーツカー規定、FIA-GT3のフィロソフィーを採用。異なるマシンパフォーマンスは、性能調整(バランス・オブ・パフォーマンス)によって調整されるという。TC3からのリリースでは、世界の主要な自動車メーカーがこのレースで戦うために適したモデルをもっているとしている。
このTC3規定の世界戦は、2015年に4つの大陸で10以上のレースが開催されるとのことで、このうちの数レースがF1とともに開催されるという。また、同時に姉妹シリーズとして『TC3アジアシリーズ』が立ち上げられ、数戦はTC3インターナショナルシリーズと併催される。
現在、立ち上げられたホームページ(http://www.tc3internationalseries.com)上には、正式発表までのカウントダウンが掲載されているのみで、詳細はいまだ不明。現在世界では日本を含めツーリングカーシリーズがやや下火になっている傾向があるが、このTC3がツーリングカーシリーズを盛り上げる存在になるのか、注視していきたいところだ。