スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは2日、GT500クラスに参戦する5台のホンダNSXコンセプト-GTについて、第4戦スポーツランドSUGO戦から適用される参加条件を変更すると発表した。また同時に、ミッドシップ車両の熱害・冷却対策について、正常進化を認める旨のブルテンも発行されている。
今季、GT500クラスはDTMドイツツーリングカー選手権と車両規定を統一化し、共通モノコックをはじめとした多くの共通パーツを使用したFRレイアウトの新規定を採用しているが、ホンダは市販が予定されているNSXコンセプトをベース車とし、市販車同様のミッドシップレイアウトとハイブリッドを搭載したNSXコンセプト-GTで参戦した。
もともとこの新規定で採用されている多くの共通パーツはFRを前提としているもので、ホンダはミッドシップのNSXコンセプト-GTの製作にあたり多くの技術的チャレンジを要求されている。また、ハイブリッドユニット分として、他車の1020kgに対し70kg多い1090kgの最低重量が定められており、NSXコンセプト-GTは開幕戦から苦戦。特に第2戦富士は速さの面でもライバルに後れを取ったほか、ターボエンジンの熱害に起因するトラブルに悩まされた。ミッドシップ車はリヤにエンジンを搭載するため空気が取り入れづらく、熱害、冷却に関するトラブルはNSXコンセプト-GTに多く発生していた。
そんな中、GTアソシエイションは2日、第4戦SUGOから適用される参加条件を発表した。変更を受けているのはGT500クラスのNSXコンセプト-GTのみで、競技車両最低重量がこれまでの1090kgから1077Kgに変更され、13kg軽減されている。ハイブリッドユニットの作動に関する条件は変更されていない。
また同時に、GTアソシエイションは『2014年SUPER GT クラスI(GT500)MR車両の熱害・冷却対策について』と題したブルテンを発行した。これはGT500クラスに参戦するミッドシップ車(=NSXコンセプト-GT)に限り、登録された部位について正常進化(ET)を認めるという内容になっている。正常進化が可能な部分は以下のとおりだ(原文ママ)。
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1. 基本登録(Homologation)された以下の部位につき、正常進化(ET)を認める。なお、ETは第4 戦菅生大会より適用される。
1) フロントグリル(開口部の拡大)
2) リアバンパー(開口部の拡大)
3) リアウインドウ(開口部の追加)
2. 付加登録(Additional Homologation)された以下の部品につき、正常進化(ET)を認める。なお、ETは第4戦菅生大会より適用される。
1) エンジン吸気ダクト(レイアウト変更)
2) エキゾーストパイプ冷却ダクトおよびターボ冷却ダクト(大型化)
3.リアウインドウをCFRPで製作することを認める。
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これらの変更は、すでに6月27日~28日に行われたスーパーGT鈴鹿公式テストでトライされているのが確認されている。冷却が進めば、よりエンジンのポテンシャルを発揮することもでき、車重の変更、そして煮詰められつつあるセッティングによって、NSXコンセプト-GTがいよいよ上位集団に食い込むことになるのかもしれない。