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WRCポーランド3日目:波乱の一日を制し、フォルクスワーゲンのオジエがリード

2014年06月29日 11:50  AUTOSPORT web

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1分以上のリードを築き、盤石の体制で最終日の競技を迎えるセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン)。
6月28日土曜日、WRC第7戦ポーランドの競技3日目は計10SSを予定。SS14/19の35.17kmというステージ以外は15km前後のショートステージがならぶ構成となっている。

前日までの段階で、総合首位のセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン)と、チームメイトのアンドレアス・ミケルセンふたりの差は0.9秒。これをシトロエンのマッズ・オストベルグとフォルクスワーゲンのヤリ‐マティ・ラトバラが追う展開となっている。

この日のオープニングとなったSS11ではミケルセンがトップタイムを獲得、オジエとの差を0.4秒縮めることに成功する。しかし続くSS12はオストベルグがベストタイム、ミケルセンはミスから12.8秒遅れのSS8番手となり、このSSを2番手で終えたオジエとの差は結局10.1秒にまで広がってしまった。SS13ではオジエがベストタイム、「リズムを失ってしまった」と語るミケルセンは4.1秒差の4番手タイムとなり、じわじわとその差を広げられていく。総合順位は変わらないものの、ミケルセンの背後には9.6秒差でオストベルグが迫ってきている。

ラリーが大きく動いたのはSS14。10番手を走行中だったフォードのエルフィン・エバンスがSS終盤でコースオフ。コ・ドライバーのダニエル・バリットやオフィシャルが後続車に対しスローダウンのジェスチャーをし、ヒュンダイのティエリー・ヌービル、フォードのロバート・クビカ、同じくフォードのミッコ・ヒルボネンらがスローダウン。ところがいずれのドライバーも「エルフィンのマシンは見えなかった」と語っており、安全確保と公平性の両立という難しい問題が浮き彫りとなった。

一方ラトバラは、サスペンショントラブルでスローダウンしていたミークをパスしたのちに石をヒットして足まわりを破損し、大きく遅れることとなった。オストベルグはステージ終盤、エバンスと同じ位置で横転。一時コースをふさぐ形でストップしたため、後から走ってきたオジエはスローダウンを余儀なくされた。ミケルセンのみがこれらの影響を受けず、2番手のオジエに18.5秒差というベストタイムを記録したが、最終的には主催者の裁定によって各ドライバーのタイムが修正され、オジエがベストタイムに。上位ふたりの順位に変動はなかった。

SS15ではオジエが前SSの影響もなくトップタイムを獲得。オストベルグとラトバラのトラブルでヒュンダイのユホ・ハンニネンが総合3番手に浮上した。ラトバラは応急処置を施しSS15を走り切ってなんとかサービスへと戻り、マシンを修復して午後のステージに臨む。

サービスを経たSS16ではオジエがベスト、SS17はヌービル、SS18とSS19はラトバラがそれぞれ制した。SS18ではヌービルがチームメイトのハンニネンをとらえて総合3番手に浮上。SS19ではヒルボネンがハンニネンをかわし総合4番手に浮上した。首位オジエは総合2番手のミケルセンに対し差を広げ続けていたが、そのミケルセンはSS19でブレーキトラブルが発生。ミケルセンはこのステージだけでオジエに対し30秒以上のビハインドを背負い込むことになり、続くSS20でもオジエを上まわることはできず、この日を終えた段階でふたりの差は1分1秒8とほぼ決定的なものとなった。

3日目を終えた段階でトップはオジエ、2番手にはミケルセン、3番手にはヌービルという上位オーダー。4番手はヒルボネン、5番手ハンニネン、6番手にラトバラとフィンランド人ドライバーが中団につけている。3番手ヌービルから6番手のラトバラまでは25.1秒差となっており、最終日は3番手争いが熱を帯びてきそうな気配だ。

競技最終日は計4SS、49.18kmを予定。SS21のスタートは日本時間の29日15時15分となっている。

【SS20後暫定総合順位】
1:S.オジエ(フォルクスワーゲン)2:08:47.3
2:A.ミケルセン(フォルクスワーゲン)+1:01.8
3:T.ヌービル(ヒュンダイ)+2:20.5
4:M.ヒルボネン(フォード)+2:31.2
5:J.ハンニネン(ヒュンダイ)+2:45.2
6:J.ラトバラ(フォルクスワーゲン)+2:45.6
7:H.パッドン(ヒュンダイ) +4:10.3
8:H.ソルベルグ(フォード) +4:29.5
9:K.ミーク(シトロエン) +4:33.0
10:M.プロコップ(フォード)+5:18.6