2014年06月28日 15:01 弁護士ドットコム
2020年に開催される東京オリンピックによる経済効果に期待が高まっている。そのような中、政府は、海外からきた旅行者の消費をうながす仕組みづくりを進めている。そのひとつが、2020年までに免税店を今の2倍の1万店規模にするというものだ。
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免税店といえば、空港のほか、東京・秋葉原など都心部で見かけることがある。海外旅行好きの人には馴染みがあるだろうが、そもそも免税店は、どんな仕組みで動いているのだろうか。また、日本人が国内の免税店で買い物をした場合でも、免税の恩恵を受けられるのだろうか。山本憲宏税理士に聞いた。
「免税店とは、商品にかかる税金(消費税や酒税、輸入品の関税など)を免除して販売する小売店で、主に空港内や一部の繁華街に存在しています。
外国人旅行者などの『非居住者』に対して、特定の物品を一定の方法で販売する場合に、納税地の税務署の許可を得て出店することができます。
たとえば、免税店の所在地は、外国人旅行者等の非居住者の利用度が高いと認められる場所であることが条件となっていますので、繁華街に多いことになります」
--免税店では、どんな商品でも販売することが可能なのか?
「通常の生活につかわれる物品であり、かつ、その物品の購入額の合計額が1万円超の物品です。
ただし、平成26年10月1日以後は、対象品に食品類、飲料類、薬品類、化粧品類その他の消耗品についても、5000円超50万円までの範囲内であれば、指定された方法で包装されていることなどを条件に、販売することが可能となりました」
--日本人が免税店で買い物しても、免税される?
「残念ながら、国内で暮らす日本人が免税店で買い物をしても、免税されません」
--なぜ日本人は免税されないのか?
「免税店において免税販売できる対象は、『非居住者』に限られます。
『非居住者』とは、外国人旅行者など日本国内に住所・居所を有していない者をいいますから、日本で暮らしている人が免税店で買い物をしても、免税とはなりません。
また、免税店で購入した物品をその国内で消費した場合、消費税がかかってきます。
たとえば、海外旅行である国に行き、そこの免税店でお酒を買ったとします。それを持ち帰らずに飲んでしまった場合、出国の際に税関で消費税を徴収されるのでご注意ください」
【取材協力税理士】
山本憲宏(やまもと・けんこう)税理士
公認会計士・税理士。大手監査法人、中堅監査法人を経て独立。上場企業の監査や上場準備支援業務から再生支援まだ幅広い業務を経験してており、その豊富な経験を活かし中小企業をサポートしている。
事務所名:山本公認会計士事務所
事務所URL:http://www.yamamoto-cpa.jp/
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