FIAは26日、2015年F1レギュレーションの変更点を発表、セーフティカー出動後のリスタートでスタンディングスタート方式を採用することなどを正式に認めた。
世界モータースポーツ評議会(WMSC)会合が行われた後、来年のF1レギュレーション変更についての決定事項が発表された。
先週末に伝えられていたとおり、セーフティカー後のリスタートはスタンディングスタートの形式で行われることが決まった。チームがF1のショー的要素を高めるための案について話し合ってきた結果、セーフティカーが出動した後、現在のローリングスタートではなくスタンディングスタートの形式で再スタートする方がポジションの大きな変化が期待できるとして、F1コミッションにおいてこの変更が承認されていた。
FIAの声明には以下のように記されている。
「セーフティカー後のリスタートはグリッドからのスタンディングスタート形式で行われる。スタンディングスタートは、セーフティカーがスタート(あるいはリスタート)の2周以内に出動した場合、またレースの残り周回数が5周に満たない場合には行われない」
また、F1の魅力を高めるための案として、ビジュアル的な華やかさを狙い、マシンから火花が散るようにするというアイデアが出ていたが、これが正式に承認され、来年はチタン製スキッドプランクが採用されることが決定した。
これに関してはオーストリアGP金曜プラクティスでメルセデスのニコ・ロズベルグとフェラーリのキミ・ライコネンによってすでにテストが行われている。
今年はノーズの形状が醜いとして物議をかもしたことを受け、FIAは「ノーズに関し、安全性を向上させ、見た目上、より美しい構造にするため、多数の新たなレギュレーションを導入する」と発表した。
また、ホイール脱落を防ぐため、2段階のホイールファスナーシステムの使用が義務化されることも決まっている。
コスト削減のための変更もいくつか行われ、風洞およびCFDの使用がさらに厳しく制限されることになった。
また、各ドライバーがシーズン中に使用できるエンジンの数は5基から4基へと減らされる。ただし「レース数が20戦を超える場合には5基へと増やす」との但し書きがついている。
テストの機会も以下のように減らされることが明らかになった。
「2015年にはプレシーズンテストとして、ヨーロッパにおいて4日間からなる3回のテストが行われる(現在はヨーロッパ以外でもテスト可能)。2016年には4日間のテスト2回に減らす」
「インシーズンテストとしては、ヨーロッパにおいて2日間からなるテストを2回行う(現在は4回)。合計4日間のうち2日は若手ドライバーを走らせなければならない」
チームがマシンに手を加えるのを制限する“パルクフェルメ規則”は現在は予選スタート時から実行されるが、これがフリープラクティス3回目スタート時に早められ、スタッフの作業禁止時間についても、金曜夜の作業禁止時間が2015年には6時間から7時間に拡大され、2016年には8時間にさらに増やされる。
一方、タイヤブランケットの禁止については2015年に関しては廃案となり、今後ホイールとタイヤの径が拡大される際には再度議論を行うということだ。