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パイクスピーク:公式練習1回目もミツビシがワンツー

2014年06月26日 18:30  AUTOSPORT web

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MiEVエボリューションIII
第92回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは現地時間25日、公式練習1回目が行われ、グレッグ・トレーシーと増岡浩の駆る『MiEVエボリューションIII』がEVモディファイドクラスのワンツーをマークしている。

 現地時間24日に、自由参加の練習走行が行なわれたパイクスピーク・ヒルクライム。全長約20kmのフルコースを3分割した上で最初の公式練習走行が行なわれ、注目の日本勢が出場するEVモディファイドクラスは、山頂部に設定された「アッパーセクション」で走行した。

 鬱蒼とした木々に囲まれたワインディングを行くスタート地点の景観とは打って変わり、コース中腹のグレン・コウブと呼ばれる名物の小屋を通過した標高3500mから上は、一切の植物も見当たらない荒涼とした大地が広がる別世界。昨年、同大会に初参加した9度のWRC王者セバスチャン・ロウブも「あそこからコース環境が一変し、周囲の木々が突然、姿を消すんだ。まるで月面にいるかのような風景だ」と評するセクションだ。

 コースの路面そのものも、下層に比べてラフでバンプが多く、荒々しい岩山の中を縫うようにして走る高速コーナーが中心の超ハイスピード区間。道路脇にガードレールがないところも多く、コースオフすると崖下に転落する危険性が高い難コースとなっている。

 そのため、高速域でのマシンの安定性の高さがポイントとなるが、ダウンフォースを大幅に増したMiEVエボリューションIIIが狙い通りの性能を発揮し、見事な走りを披露した。また、山頂は標高4301mと富士山よりも高い場所に位置するため、空気を燃やして出力を得る内燃機関(エンジン)搭載車には厳しいコース。空気の薄さに影響を受けない電気自動車にとってはタイムアップの鍵となる区間でもある。

 朝から好天に恵まれ、路面コンディションはドライでの走行となる中、ミツビシのMiEVエボリューションIIIはグレッグ・トレーシーが2分29秒05でクラストップタイムをマーク。増岡が2分31秒74の僅差で2番手に入り、ミツビシチームが公式練習でも好調なスタートを切ることとなった。

 同じくEVモディファイドクラスで、総合優勝を目標に据えたライバルでもあるモンスターこと田嶋伸博も、トップのトレーシーから7秒遅れの2分36秒15で3番手タイムをマーク。ミツビシの2台、そしてモンスター田嶋、さらには同じ日にボトムセクションで走行していたポルシェ・ワークスドライバーであるロマン・デュマが駆るホンダK20Aターボ搭載のオリジナルマシン『ノルマM20 RD リミテッド』が、総合優勝争いに絡んでくる有力なコンテンダーとなりそうだ。

(Keisuke Koga/オートスポーツweb)