フェラーリのチームプリンシパル、マルコ・マティアッチは、オーストリアGPの後、エンジン凍結の規則により、今年メルセデスに追いつくのは不可能であると述べた。フェルナンド・アロンソもそれを認めており、来年トップに立つことを目指すと語った。
シーズン前にパワーユニットのホモロゲーションが行われ、その後は改良は信頼性の面においてしか許されない。すでに各パワーユニットの最適化がなされつつあるため、今季中に3つのマニュファクチャラーの序列は大きくは変わらないものと考えられる。
マティアッチ代表は、エンジン凍結規則の下でどれだけメルセデスとのギャップを縮められると思うかと聞かれ、次のように答えた。
「F1についてよく知っていながら、『メルセデスとのギャップを縮める』という言う理由が分からない」
「大幅にギャップを縮めることはレギュレーションによって不可能だ。つまりギャップを縮めるという言い方は適切ではない。信頼性向上をどれだけ図れるかという問題だ」
アロンソも、今シーズン、パワーユニットの面でのギャップを埋めることはできないと述べているものの、2015年に期待を抱いている。
「差があまりに大きすぎる。エンジンをいじることができず、大きな変更ができない」とアロンソ。
「だが1年たてば、たくさんの事が起こり得る。過去に、翌年になって多くの変化が起きた例を何度か見てきた」
「今年は規則が新しくなったばかりだから、2015年に誰もが大きな前進を遂げると思う。メルセデスを含めてね。来年は誰もが進歩するだろう」
「最初のベースラインが低いチームの方が改善の余地が大きい。だから僕らはメルセデスに近づく、あるいは彼らと同じレベルに立てるだろう。そう願っている」
「僕らには時間が必要だ。一日で成し遂げられるような仕事ではない。でもいつかトップに立つことを目指している」
フェラーリのパワーユニットはメルセデスより重く、パワーが足りないと考えられている。一方でマティアッチは、フェラーリが劣っているのはパワーユニットだけではないと認め、次のように述べている。
「エンジンだけが問題だとは思っていない。全体的なパッケージがメルセデスほどの力を持っていないのだ」
アロンソは、全チームが必死に努力するなか、序列を変えるのは簡単なことではないが、フェラーリにはその力があることを信じて努力していくと語った。
「マシンをある程度改善することはできている。ライバルたちよりいい仕事をし、基準であるメルセデスとのギャップを縮めるための努力をする必要がある」
「僕らを含め、すべてのチームの序列は変化していくだろう。僕らにはリソースがあり、ライバルより大きな進歩を成し遂げられる技術力があると期待している」