北米コロラドで開催されている第92回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム。月曜に車検を終えたマシンたちが、現地時間24日、いよいよコースへと繰り出した。この日は、参加義務なし&予選タイム計測なしの公式練習が行なわれた。
昨年の初日に設定されていた練習走行は、コースを上下半分に2分割したセクションで行われたが、今年は3分割、3グループに分かれての走行となった。
そのなかで、注目の日本勢が多数エントリーするEVクラスは、パイクス中腹のミドルセクションを走行。登り勾配が厳しくツイスティなコーナーが続くテクニカルなコースだ。
走行は午前5時半から8時半まで。気温、路面温度ともにかなり低く、タイヤが本来の性能をフルに発揮できないような寒さ。週末日曜の決勝は午後からの走行のため、ずいぶん条件は違ってくるはず。コース脇にはまだ雪壁が残るような状況で、月曜日には降雪があり除雪作業も行なわれたようだ。
EVクラスは計3回を走行。ミツビシチームの監督であり、エースドライバーを務める増岡浩が『MiEVエボリューションIII』でEVトップタイムをマークすると、チームメイトのグレッグ・トレーシーも2番手タイムと、ミツビシが幸先良くワン・ツー。しかも、両者はまだフルアタックではなく、あくまでも肩慣らしで余裕がありそうな雰囲気を漂わせてのタイムだ。
一方、『2014 Monster Sport E-RUNNER パイクスピーク スペシャル』で挑む田嶋伸博は、EVクラス3番手。ただしタイヤウォーマーを使わないなど、こちらも様子見的な走行で、まだまだ速くなりそうな予感。本番に強い田嶋だけに、何か戦略があるに違いない。
『チーム・ヨコハマ・EV チャレンジ』の塙郁夫はクラス4番手に。いつものように市販車用タイヤの性能を活かすクリーンな走りだった。
注目のポルシェ・ワークスドライバー、ロマン・デュマが出場する改造無制限のアンリミテッドクラスは、スタート~中腹のボトムセクションを走行し、デュマの駆るホンダK20ターボ搭載の『ノルマM20 RD リミテッド』がライバルを圧倒するタイムを披露。ただし、昨年ミツビシのトレーシーがボトムセクションで刻んだタイムと大きな差はなく、ミツビシや田嶋のEVモディファイド・クラスのマシンが総合優勝争いに絡んでくる可能性大。その意味でも、今大会は歴史的なイベントになるかもしれない。
(Keisuke Koga/オートスポーツweb)