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漫画家がボツ作品公開「つまらなかったら編集長の勝ちだし、面白かったら自分の勝ち。」

2014年06月24日 15:40  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

漫画家がボツ作品公開「つまらなかったら編集長の勝ちだし、面白かったら自分の勝ち。」

 ある出版社にスカウトされ、半年かけネームを制作して企画会議も通り、今年1月には連載決定していたものの……結果、ボツとなってしまった不運の漫画が、ニコニコ静画に投稿され快進撃を見せています。


【元の記事はこちら】


 投稿したのは漫画家の木星在住さん。注目される作品はSF漫画『機械人形ナナミちゃん』(http://seiga.nicovideo.jp/watch/mg93637)。
投稿された作品は静画の他、オープニング・エンディングに声もあてた動画版も投稿されており、それぞれニコニコ漫画・青年漫画ランキングでは1位、ニコニコ動画描いてみたカテゴリーでは2位になっています。


 第1話は、親を亡くした少女ノリコと、機械人形ナナミのふれあいが描かれています。7月には第2話を公開予定とのことですが、第1話ラストではナナミの今後の運命を左右する、機械人形の破壊命令“赤紙”という設定が描かれており、続きを早く読みたいという人が続出しているもよう。


 今回、木星さんがこの漫画を公開したのには訳があり、詳細はブログで紹介されていました。
この作品はまず半年かけてネームを制作、出版社の企画会議も通り、連載が決まったところで、他の仕事を断りいざ描き始めよう!としたところ、最後の編集長のチェックでリテイクの数々をうけたのだそう。
企画会議を経ていたにもかかわらず、ネームの根本から修正を求められ、更に約半年の修正期間を経て「それじゃあ別作品だよね」と言われ最後はボツに。


 このことについて木星さんは、


「スカウトすれば作家はいくらでも集まる。ネームに報酬は無いから、いくらでも修正させられる。契約もなにもしていないから、捨てた所で作家に訴えられもしない。」


と、漫画家が置かれる状況を説明。今後は毎月1話ずつ掲載していくようですが、この作品を掲載・単行本化してくれる出版社も探しているとのこと。


 最後は、


「つまらなかったら編集長の勝ちだし、面白かったら自分の勝ち。」


というメッセージも添えられています。


参考:【ニコニコ動画】【1話】某出版社でボツになったマンガを公開【機械人形ナナミちゃん】