MiEVエボリューションⅢ 6月23日、いよいよレースウィークを迎えた北米コロラドスプリングスのワールドアリーナでは、早朝からパイクスピーク・ヒルクライム出場車両の車検が行なわれた。
午前中には2輪、タイムアタッククラス、アンリミテッドクラスなどの車検が行なわれ、午後から注目のEVクラスの車検がスタート。日本勢の主要エントリーは昨年と同様。まず登場したのが、『チーム・ヨコハマ・EVチャレンジ』の塙郁夫。今季もヨコハマ製のオレンジオイルを配合した環境ラジアルタイヤ、BluEarth-A(ブルーアース-エース)を装着したフルEVマシン『HER-02』で登場。今年に向け、EVの生命線であるバッテリーやモーターなどの熱対策など、信頼性に関わる部分を改良してきたという。
そして同じく、EVで挑むミツビシの増岡浩、グレッグ・トレーシーの両ドライバーも、2014年マシンである『MiEVエボリューションⅢ』とともに車検場に現れた。増岡は「こちらに来てコースでテスト走行を行ない、マシンの最終的な仕上がりを確認した。改めてダウンフォースの大幅向上を確認。コーナーは格段に速くなっている。スタビリティが素晴らしく、ハンドリングも去年よりコントローラブル。あとはドライバーがマシンに慣れるだけ」と、新マシンとコースの感触をコメントした。
そして、同イベントの顔であり昨年のEVモディファイドクラスの覇者、モンスターこと田嶋伸博も『Team APEV with モンスタースポーツ』として、新たに開発した『2014 Monster Sport E-RUNNER パイクスピーク スペシャル』を引っさげ登場。主に軽量化を押し進めたというマシンが、昨年果たせなかった総合優勝に届くか、会場に集まったファンや関係者からも大きな注目を集めていた。
また車検会場にはその他に『ホンダ・フィットEV』や『トヨタRAV4 EV』などの日本車がEVクラスに参戦。また、ラトビアのDrive eOが、中身ほぼオリジナルのテスラで出場など、今年もEVクラスは大盛り上がりの様相を見せている。
もちろん、EV以外にもこのイベントならではのマシンも盛りだくさん。パイクス初参戦、SCCAレースカーベースのV35 GT-R、毎度おなじみのトラックヘッド、ボビー・レイホールのインディ500マシンをベースに前後に巨大ウイングを装着したスペンサー・スティールの88号車など、ユニークなマシンが多数エントリーしている。
大らかな(=緩い)雰囲気の車検は粛々と進んでいたが、途中、バケツの水をひっくり返したような豪雨と、大粒のヒョウが降り一時中断。今年のレースは雨の可能性も高く、結果を占うことが難しいという。
現地時間24日(火)には、早朝から山を3セクションに分けての練習走行が行なわれる予定だ。