インタープロトシリーズ第2戦が、富士チャンピオンレースと併せ、6月21日~22日に開催され、ジェントルマンクラスではMOTOR MOUSE(INGING MOTORSPORT)とYuke Taniguchi(Pasarレーシングカー)が優勝を分け合い、プロフェッショナルクラスでは中山雄一(KeePer IPS-01)との激戦の末に、平川亮(RSS広島トヨペットIPS)が開幕4連勝を飾っている。
梅雨時とあって、天候が心配された第2戦のIPSだったが、土曜日は何とか持ちこたえ、ドライコンディションの中での走行となった。まずジェントルマンクラスの予選では、AKIRA(RSS広島トヨペットIPS)とTaniguchiのシーソーゲームとなり、ともに最終計測ラップにベストタイムを更新、AKIRAがTaniguchiを僅差で従える。プロフェッショナルクラスでは、初参戦のアンドレア・カルダレッリ(ララパルーザ)が健闘。平川の連続ポールこそ阻止できなかったものの、僅差で2番手となり、荒聖治(リジカラIPS)や中山をも従えた。
ジェントルマンクラスのレース1もドライコンディションをキープ。スタートからAKIRAとTaniguchiによるつば競り合いが演じられるも、5周目の1コーナーでAKIRAがついにトップに。そのまま逃げていくことが予想されたが、間もなく6周目を終えようという最終コーナーで突然Taniguchiのエンジンが「たぶん燃料ポンプか、その関連」のトラブルのため、息絶えてしまう。
これでトップに返り咲いたAKIRAながら、「途中から水温が上がって、早めにリミッター当たるように」なってしまう。そこに迫ってきたのがMOTOR MOUSEで、13周目に抜かれた後、AKIRAは最終コーナーでオーバーラン。逃げ切ったMOTOR MOUSEは「初めてのレースなので、勝てるなんて思わなかった」と流暢な日本語で喜びを語っていた。
日曜日のレース2は、あいにくの雨模様。そのため、セーフティカースタートになり、2周の先導の後、本格的なバトルが開始される。ポールスタートのMOTOR MOUSEはダッシュが鈍く、そこに迫ってきたのが畠中修(KeePer IPS-01)。ダンロップコーナーでトップに立った畠中は、そのままリードを広げ続けたが、勢い余って6周目のダンロップコーナーでスピンを喫し、4番手に後退してしまう。
代わってトップに立ったのは、レース1をリタイアしていたため6番手スタートだったTaniguchi。まるで憂さを晴らすかのような快進撃を見せ、最後にAKIRAが迫ってくるも、ガードを固めて逆転を許さず。「後ろからAKIRAさんが目を三角にして迫ってきたのが分かったので、必死に逃げましたよ」と3勝目の獲得を大いに喜んでいた。
プロフェッショナルクラスではカルダレッリの活躍に期待がかかるも、直前に行われた同乗走行でタイミングベルトが切れ、エンジンを下ろさないと修復できないとあって、無念のリタイアを喫することに。しかし、そのため視界が開けた中山がレースを大いに盛り上げた。好スタートを切って平川の背後に続いたからだ。しかし、レース1ではゴール前の直線で背後まで迫られるも、平川が辛くも振り切って開幕3連勝を達成した。
レース2でも好スタートを切った中山は、1コーナーでアウトから平川に被せ、並んだままクリアする。そしてコカコーラコーナーでトップに躍り出た。しかし、中山は3周目の1コーナーでブレーキミスから平川の逆転を許す。その平川も5周目の最終コーナーでインをこじ開けられ、ストレートで抜き返したものの、コカコーラコーナーでアウトに膨らみ、中山を再度前に出す。
もちろん、これで決着がつこうはずがなかった。今度は8周目の100Rで中山は片足を落とし、その脇を平川がすり抜けていくという、かつてなかったほどの攻防戦が繰り広げられた。そして、最後の直線ではまたも中山が平川の背後まで迫るも、抜け出すまでには至らず。その結果、平川が無傷の開幕4連勝を達成することになった。
「けっこうギリギリでしたけど、走っていて楽しかったですよ。早く終わらないかな、とは思っていましたが」と平川が語れば、中山も「お互いトップ立つと、ミスしちゃって」と苦笑いしつつ顔を見合わせるシーンが印象的だった。3位は2レースともに荒が獲得している。
(はた☆なおゆき)