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ニュルブルクリンク24時間は4号車R8が制す! アウディは24時間レースで連勝

2014年06月23日 00:00  AUTOSPORT web

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ニュルブルクリンク24時間の表彰式。3位までに入ったマシンがリフトで上げられた。
第42回ニュルブルクリンク24時間耐久レースは、20万5000人のファンが見守る中で現地時間の16時にチェッカーを迎え、序盤から上位を争ったクリストファー・ハッセ/クリスチャン・マメロウ/レネ・ラスト/マーカス・ビンケルホック組4号車アウディR8 LMSウルトラが三つ巴の戦いを制し優勝。アウディは前週のル・マンに続き、24時間レース連勝を飾った。

 全長23km超、世界で最もクルマに過酷といわれるニュルブルクリンク北コース“ノルドシュライフェ”とグランプリコースを組み合わせた舞台で、24時間に渡って165台が争ったニュルブルクリンク24時間。序盤から最上位カテゴリーであるGT3カーを中心にクラッシュが相次ぐ荒れた展開となったが、夜を迎えると少しずつ展開も落ち着いてくる。

 そんな中、日本人トリオが乗車したニッサンGTアカデミー・チームRJNの30号車ニッサンGT-RニスモGT3が夜間にクラッシュしリタイア、195号車マツダMX-5もクラッシュで戦列を離れるなど日本勢にとっては夜間走行が鬼門に。SP3Tクラス首位に浮上していた吉田寿博/佐々木孝太/マルセル・ラッセー/カルロ・バンダム組118号車スバルWRX STIも、夜が白み始めた頃に接触し、ポジションを落としている。

 一方、総合首位争いは少しずつニュルブルクリンクを知り尽くしたドイツ車同士の争いに。同一周回で4号車アウディ、昨年の覇者であるブラックファルコンの1号車メルセデスベンツSLS AMG GT3、シューベルト・モータースポーツの20号車BMW Z4 GT3が同一周回となり、三つ巴の戦いが展開されていくことになった。

 夜も明け、残り8時間となった7時過ぎには首位争いが激化。1号車メルセデスと4号車アウディがテール・トゥ・ノーズの争いになる。2台はスピン等も挟みながら戦いを展開するが、自力の速さは4号車に分があり、次第に2台の差は開いていく。その一方で、シューベルトの20号車BMW Z4 GT3も時折テール・トゥ・ノーズに持ち込み、またファルケン・モータースポーツの44号車ポルシェ911 GT3Rとローヴェ・レーシングの22号車メルセデスが直接4番手を争うなど、24時間レースとは思えない戦いが展開されていった。

 ただ、上位のうち22号車メルセデスは、9時半ころにタイヤバーストに見舞われてしまう。また、首位を争っていた20号車BMWも、残り4時間で92秒のペナルティ、さらにトラブルにより後退してしまった。これで首位争いは4号車アウディと1号車メルセデスの争いとなるが、アウディが最終的に2分59秒の差をつけそのままチェッカー! 同様のホワイト×ブラック×レッドのカラーリングをまとったアウディR18 e-トロン・クワトロが前週に勝利したル・マン24時間に続き、アウディが24時間レースでの連勝を飾った。

 2位は1号車メルセデス、3位は22号車となり、メルセデスは表彰台に2台を送り込むことに。4位は44号車ポルシェとなった。5位争いはチェッカー周までテール・トゥ・ノーズのバトルが展開されたが、アストンマーチン・レーシングの007号車アストンマーチン・バンテージが逃げ切ることに。優勝争いを展開した20号車BMWは6位となった。

 日本車のGT3カーでは、山内一典/トビアス・シュルツ/ミハエル・シュルツ/ジョルダン・トレッソン組シュルツ・モータースポーツの24号車ニッサンGT-RニスモGT3が総合15位、クラス12位でチェッカー。30号車同様クラッシュに見舞われ遅れたRJNの80号車GT-Rは総合25位、クラス14位で完走を果たした。

 一方日本勢では、GAZOO Racingが3クラス制覇という結果を残した。今季は先行開発車の飯田章/脇阪寿一/木下隆之組53号車レクサスLFA CodeXを投入したことから53号車がSP-PRO、木下隆之/石浦宏明/大嶋和也/モリゾウ組48号車LFAがSP8、影山正彦/佐藤久実/蒲生尚弥組86号車トヨタ86がSP3クラスとなっていた。

 ハイペースかつセーフティーにレースを運んだ3台は、それぞれ総合で53号車が12位、48号車が14位、86号車が55位となり全車がクラス優勝を達成。53号車は2台のマッチレースを制し、48号車は速さの近いライバルがいない状況ではあったが、急遽木曜日に参戦が明らかにされた“モリゾウ”ことトヨタ自動車豊田章男社長がチェッカードライバーを務め、3台でデイトナフィニッシュを飾った。

 SP3TクラスのスバルWRX STIは総合33位、クラス4位でチェッカー。その他の日本勢では梅本淳一、奥村浩一が乗り込んだ153号車ルノー・クリオはSP3クラス5位に、瀬谷隆、下島洋介が乗り込んだ187号車BMW325iはクラス5位、山下潤一郎/関豊/大井貴之組148号車ホンダS2000は度重なるトラブルやチェッカー1時間前のクラッシュも乗り越え、クラス9位となっている。