レースデーを迎えた日曜日のレッドブルリンクは朝から青空が広がり、今週末でもっとも暑いコンディションとなった。9万枚の前売り券は完売で、サーキット周辺の道路は、高速道路の出口から渋滞の列ができていたほど。チーム関係者の中にも、予定していた時間に遅刻していた者もいたという。
ただ、オーストリアGP観戦者の多くはキャンプ場で寝泊りしており、渋滞は木曜日ほとではなかった。そのため、日曜日のレッドブルリンクは朝早くに起床してキャンプ場を出て、サーキットへ入場する者が多く、サポートレースの段階からスタンドは満席に近い状態。この日、最後のサポートレースとなったポルシェ・カップの表彰式には、プレゼンターとして昨年までレッドブルを走らせていたマーク・ウェーバーが元気な姿を見せて、観客から喝采を浴びていた。
朝から強い日差しに照りつけられた路面は、お昼の段階ですでに43℃に達している。今週末で経験したことがない条件でレースを迎えることになりそうだ。ウイリアムズのチーフレースエンジニアであるロブ・スメドレーも「リヤタイヤのデグラデーション(劣化)をいかにコントロールするかが、レースでもっとも重要な鍵となるだろう」と語っている。
ビレリのポール・ヘンベリー(モータースポーツディレクター)は「2回ストップが主流となるだろう」と語っているものの、「セーフティカーの入るタイミングによっては、1回ストップも十分考えられる」という見方もしており、まずはスタート直後に混乱が起きるかどうかをポイントに挙げていた。カナダGPで1ストップ作戦を敷き、レース終盤を盛り上げたフォースインディア勢、今回もニコ・ヒュルケンベルグが10番手からスタートするだけに、要注目である。
予選で2008年ブラジルGP以来のポールポジションを獲得したのはフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)。F1の予選後に行われたGP2のレース1での勝者も同じブラジル人でウイリアムズの第3ドライバーを務めるフェリペ・ナスールだったため、土曜日のウイリアムズはブラジル・デーで盛り上がり、テレビの解説として訪れていたルーベンス・バリチェロも祝福に駆けつけていた。
ただし、日曜日の朝に行われたGP2のレース2では、ナスールは3周目にリタイア。果たして、幸運の女神はまだブラジルに微笑み続けているのか? あるいはもう見放してしまったのか? 19戦中、モナコに次いで2番目に周回数が多いオーストリアGPは、現地時間午後2時(日本時間午後9時)にスタートが切られる。