2014年F1第8戦オーストリアGPは20日、シュピールベルクにあるレッドブルリンクで午前10時からフリー走行1回目が行われ、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグがトップタイムをマークした。ケータハムの小林可夢偉は20番手となっている。
A1リンク時代の2003年以来、11年ぶりのF1開催となる第8戦オーストリアGP。コース自体はA1リンク時代とほぼ同じレイアウトながら、名称はサーキット買収し、地元に再度グランプリを誘致したレッドブル社の名を冠した。
オーストリアのファンにとってひさびさのF1グランプリとなった金曜朝のフリー走行だが、午前10時スタートのFP1は生憎の曇り空で路面温度は21度。気温も13度とやや肌寒いコンディションでスタートし、セッション中盤以降は弱い雨も確認された。
タイヤサプライヤーのピレリは、アップダウンを特徴とする1周4.326kmのレッドブルリンクにソフトとスーパーソフトの柔らかいコンパウンドを投入。なお、今回のFP1ではF1マシンの“火花”を復活させるための措置として、キミ・ライコネンとニコ・ロズベルグのマシンにチタン製のスキッドブロックが取り付けられ、検証実験が行われている。
セッションは序盤から積極的に走行を重ねたメルセデス勢がリードするかたちで推移。2台のシルバーアローは前戦カナダのリタイア原因となったMGU-Kのトラブル対策として電子制御システムのクーリングを改善し、今回のグランプリに臨んでいる。
2台のメルセデスは、雨が降り始めたセッション中盤以降もタイムを更新すると、最終的にはロズベルグが1分11秒295を記録。2番手につけたチームメイトのルイス・ハミルトンも0.140秒の僅差で続いた。
3番手には、メルセデスからコンマ2秒差でフェラーリのフェルナンド・アロンソがつけ、4番手にウイリアムズのフェリペ・マッサ、そして5番手のジェンソン・バトンまでが1分11秒台を記録している。
フォース・インディアのセルジオ・ペレスは、セッション序盤にリヤのパーツが外れるアクシデントにあったものの、最終的には30周以上を走行。チームメイトとともに6、7番手を形成。一方、ターボ関連のトラブルに見舞われたザウバーのエイドリアン・スーティルと走行中にマシンがストップしたケータハムのマーカス・エリクソンはともに10周を走ることができなかった。
終盤にかけては、若干路面も濡れていたためコースオフするマシンが相次ぐなか、レッドブルのセバスチャン・ベッテルも最終コーナーで派手にスピン。あわやウォールにクラッシュするシーンが見られた。
また、ロズベルグとライコネンによって実施された火花のテストは、ホームストレートなどで一定の効果が確認されている。
ケータハムの小林可夢偉は24周を走って1分14秒611を記録。最初のセッションを20番手で終えている。