レッドブルは、今後エイドリアン・ニューエイ体制からの脱却を進める一方で、F1には引き続き“長期的”に参戦すると述べた。
F1界の天才デザイナーと言われるニューエイは、2015年からチームに“助言および指導”を行うアドバイザー的な役割へとF1の業務を縮小し、今後はレッドブルの新たなプロジェクトに集中することになっている。
チームのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、ニューエイが退いた後のチーム作りについて、英BBCに「必要なことは何でもやる」と述べ、次のように続けた。
「チームはエイドリアンを中心に構築された。しかし我々のグループには本当に優れた人材が揃っており、チャンレジに挑む覚悟ができている」
レッドブルは、2010年からドライバーズとコンストラクターズを4年連続で制してきた。マルコは、ニューエイの動きに伴う組織の再編成が「容易ではない」ことを認めているが、オーナーのディートリッヒ・マテシッツにはF1に対する情熱があると述べ、11年ぶりとなるオーストリアGPのF1復帰がレッドブルとマテシッツによる長期計画の集大成だとも述べている。
「もし我々チーム全体が情熱に満ちていなければ、成功を収めることはできなかっただろう」
マルコは、マテシッツの故郷にほど近い旧A1リンクの改修が、地元地域に対する広範囲な財政的責務の一部であるとコメント。彼は、F1をこの地域へ呼び戻す構想を維持してきたマテシッツがレッドブルリンクとして立て直さなければ「どちらにしろダメになっていた」だろうと語る。
マテシッツは、オーストリアGPを復活させるため、1イベントにつき2万5000人以上を収容できないという規制を撤廃する必要に迫られたという。
「我々は政治家と話し合わなければならなかった。それで彼らはより常識的に考えるようになった。我々は一歩づつそこにたどり着いたんだ」
さらにマルコは、オールドコース(エステルライヒリンク)のレイアウトを復活させることを試みたものの、現代のF1基準に沿った結果、十分な安全性を確保することが難しかったとも明かし、トラックの再建とグランプリ再誘致には「大きな投資」を要したとも述べている。
「我々はプライベートな資金を費やしている。政府からの資金は得ていない。それでもオーストリア全体がグランプリから利益を得ている」