フェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモロのインタビューでの発言を受け、フェラーリが将来F1から撤退しル・マンに集中することを考えているとの報道がなされたが、フェラーリは声明を発表し、これを否定した。
以前から現在のF1規則を批判しているディ・モンテゼモロが改めてF1への不満を述べ、フェラーリは早ければ2020年にもル・マンなど耐久レースの分野に力を注ぐことになるかもしれないと示唆したと、先週ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
「F1は機能していない」とディ・モンテゼモロ。
「(FIAは)人々は興奮を求めてレースを見るのだということを忘れている。だから衰退してきているのだ。効率性が見たくてレースを観戦する人間などいない」
スポーツカーレースに関してディ・モンテゼモロは「もちろんスポーツカーレーシングとF1を同時に行うことはできない。それは不可能だ」と述べたという。
フェラーリがF1撤退を検討か、といった報道が広くなされたのを受け、同チームは13日に以下のような声明を発表、これを打ち消した。
「一部メディアがフェラーリはF1から撤退してル・マン24時間および耐久レースに集中するかもしれないと示唆した。これは会長ルカ・ディ・モンテゼモロが『F1はその本来の価値を取り戻し発展する必要がある』との発言を再び行い、さらに24時間レースの魅力を認めたことを拡大解釈したものである」
「『2020年より後にフェラーリはF1から去り、ル・マンとWECに集中する』という報道は彼の発言を極端に解釈したものである」
「もちろんフェラーリが両方の分野に参戦するという大きなチャレンジに取り掛かることを阻む要素は何もない。今回の件は単なる推測にすぎない」
フェラーリのスポークスマン、ルナート・ビシニャーニはフェラーリがF1撤退を考えているという報道について次のようにコメントした。
「完全に逆だ。ル・マンは魅力的なプラットフォームであり、今後も注視していく。だが半世紀以上にわたりフェラーリの命だったのはF1だ。我々は現在、コンスタントに勝ち続けられるような状態に戻ることを集中的に考えている」
「水面下でさまざまなことが行われており、モンテゼモロ会長の努力は、(チーム代表)マルコ・マティアッチの新たなリーダーシップと共に、このエリアのみに注がれている」