14日~15日に行われた第82回ル・マン24時間耐久レースで、2台のトヨタTS040ハイブリッドを走らせたトヨタ・レーシングだが、7号車はトップを走行しながらトラブルでリタイア。8号車はクラッシュから追い上げ、3位表彰台を獲得した。
今季WEC世界耐久選手権で8号車が開幕2連勝を飾り第3戦にあたるル・マン24時間に臨んだトヨタ・レーシング。予選では中嶋一貴駆る7号車がポールポジションを獲得し、決勝でも荒れた展開の中でトップを走行。しかし、開始から13時間59分で電気系のトラブルでリタイアした。
一方、8号車は序盤の雨の中で多重クラッシュに巻き込まれ、車両を大きく破損し大きく遅れてしまうことに。しかし、その後はガレージに入ることもあったが、上位陣のトラブルもあり3位表彰台を獲得。WECのポイントリーダーとして、2位以下との差を広げた。
「ル・マンでの3位は大変喜ぶべき名誉ですが、我々のTS040ハイブリッドは勝てるスピードを持っていただけに、今日は複雑な気持ちです」と語るのは木下美明チーム代表。
「予想外の出来事が多く、改めてこれがル・マンなんだと実感しました。幸運は要らないが、もう少しアクシデントが少なければと思います。しかしそれがモータースポーツであり、結果は厳粛に受け止めなければなりません。この経験を糧に、我々はより強くなって帰ってきます」
悲願とも言えるル・マン24時間制覇こそならなかったものの、トヨタ・レーシングはアウディからWECの王座を奪うべく、すでに次戦を見据える。
「世界選手権に照準を合わせ、次のアメリカ・オースティン戦から再び全力を尽くします。8号車の酷いダメージを短時間で修復してくれたチームメンバー、またその車で諦めることなく走り続け、3位表彰台を獲得したドライバーに心から感謝したいと思います。自分は、このチームを誇りに思います」と木下代表。
「最後にアウディ、ポルシェの素晴らしいパフォーマンスを讃えたいと思います。このレースに参加した全員が非常に激しく戦い、素晴らしいスピリットを見せてくれました」