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ル・マン24時間:クラッシュのラピエール「正直言って何も見えなかった」

2014年06月15日 04:50  AUTOSPORT web

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クラッシュしピットに戻った8号車トヨタTS040ハイブリッド
14日スタートした第82回ル・マン24時間耐久レースでは、スタートから約1時間25分程度で激しい雨が降り始め、1回目のセーフティカー導入直後にユノディエールで8号車トヨタTS040ハイブリッド、3号車アウディR18 e-トロン・クワトロを含む多重クラッシュが発生したが、当事者となったドライバーたちがクラッシュの状況を語っている。

 序盤こそドライのまま激しいレースが展開されていたル・マン24時間だが、事前にこの時間帯には雷雨の天気予報が出ており、開始から1時間を過ぎたあたりで、サーキットのモニター上に雨のレポートが入っているという表示が出た。

 雨はテルトルルージュ方面からユノディエール、ミュルサンヌにかけた方向で一気に激しさを増し、LMP2クラスの47号車KCMGが第1シケインでスピン。タイヤバリアが破壊されたため、セーフティカーが導入された。

 直後も第1シケインでは水量が多いのか、7号車トヨタTS040ハイブリッドをはじめ直進するマシンが増え始める。テルトルルージュから第1シケインの間は、この時間帯で最も水量が多かった。そんな中、減速し始めていた車列の中でニコラス・ラピエール駆る8号車がガードレールにヒット。その前方では81号車フェラーリが姿勢を乱し、3号車アウディにヒット。3号車もガードレールに激しくクラッシュした。

「ユノディエールに入って、第1シケインの手前だったと思う。ひどい雨で前に遅いクルマがいたけど、誰もライトをつけていなかったんだ。とにかく遅いので僕はブレーキをかけようとしたんだ。GTカーにヒットされたのか、正直何があったのか分からない」とその時の状況を語るラピエール。

「そのGTカーが他のクルマをはじきだした。僕が覚えているのはそれだけだよ。正直言って何も見えなかったし、何もできなかった」

 8号車はなんとかピットに帰り着き、49分をかけてマシンを修復した一方、3号車をドライブしていたマルコ・ボナノミは、必死にマシンを再始動させようとするも叶わず。コクピットで状況を説明すると、頭を抱え悲嘆にくれた。

「チームとふたりのチームメイトに、信じられないほど申し訳無く思っている。みんな1年間、このレースでの成功のために準備してきたんだ。それなのに今、こんなにも早く僕たちのレースは終わってしまった。僕たちにはいい結果を収める可能性はあったんだ」とボナノミは語る。

「僕にアクシデントでできることはなかったよ。激しい雨の中でスリックタイヤを履いていて、リスクを負わないために慎重にゆっくり走っていたんだ。トヨタは大丈夫だったけど、フェラーリが僕に突っ込んできたんだ。それは僕にとって、そして残念なことに僕たちのアウディにとってレースの終わりを意味していたんだ」