今年のル・マン24時間にニッサン/ニスモが投入しているニッサンZEOD RCが、決勝を前に行われたウォームアップ走行で、プロジェクトの目標となっていた電力駆動のみでのサルト・サーキット1周を達成した。
環境技術を志向したマシンのための特別枠“ガレージ#56”から今年のル・マンに参戦しているZEOD RCは、マシンに搭載された電力駆動と1.5リッター3気筒直噴ターボエンジンの駆動を切り替えることが可能。EVモードで走行した後、エンジン駆動に切り替え回生を行い蓄電、再びEVモードで走ることができ、サルト・サーキットの1周を電力のみで走ることを目標としていた。
1日のテストデーを含め、予選日までの走行ではまだ達成されていなかったその目標だったが、14日の決勝日午前に行われたウォームアップセッションで、ウォルフガング・ライプが電力駆動のみの走行で4分22秒をマーク。最大の目標を達成することとなった。
ZEODプロジェクトに携わっているRMLのボス、レイ・マロックによると、予選中に走った30周によって、電力駆動のみで1ラップを行うための十分なデータがチームにもたらされたのだという。
「データの分析と、バッテリーとモーターに関して行ってきた作業が、今朝それを実行するための確信を与えてくれたんだ」とマロック。
「プロジェクトには大きな注目が集まっていた。大勢の前でこの記録を達成できてよかったよ」
ニッサンは、電力駆動のみのラップで4分のタイムをマークすることを目指している。マロックは、夜間の気温が下がっている間により速いタイムを目指す可能性もあると語っている。
なおZEOD RCは、予選2日目となった12日、本山哲のドライブ中に、目標のひとつとなっていた電力駆動での時速300kmも達成している。