第82回ル・マン24時間耐久レースは13日、走行セッションは行われず、現地時間17時からル・マン市内でドライバーズパレードが行われた。パレードの主役と言えたのは、12日の予選でポールポジションを奪ったトヨタの中嶋一貴だった。
例年水曜と木曜に走行セッションが行われ、金曜は走行がないル・マン24時間。12日はサーキット内ではピットウォークが長時間行われ、ドライバーたちとファンは夕刻に向けル・マン市内に移動。毎年恒例のドライバーパレードに臨んだ。
このドライバーパレードは、今年はジャコバン広場からスタートし、リパブリック広場、旧市街を通過しジャコバンに戻るコース。LM-GTEクラスのドライバーたちが登場した後、ガレージ#56枠から参戦するニッサンZEOD RCの3人が登場。本山哲を中心に、詰めかけたファンの歓声に応えた。
続いて「ポールシッター、トヨタ・レーシングとカズキ・ナカジマ!」というアナウンスとともに登場したのは、7号車トヨタの一貴、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザンの3人。大歓声に包まれパレードスタートのランプに登った一貴は、ポールポジションタイムを記録したドライバーに授与される記念のプレートを渡され、笑顔をみせた。
参戦ドライバーたちはパレードコースをゆっくりとまわり、時折パレードカーから降り沿道のファンにサインをしたりするが、やはり“今年の予選最速の男”である一貴への声援は段違いで、「ナカジマ!」「トヨタ!」と呼ぶファンの声に応え、一貴はひっきりなしにクルマから降りてサインをしていた。
また、LMP1のアウディドライバーやポルシェドライバーたちも大人気。LM-GTEアマクラスに参戦する俳優のパトリック・デンプシーは、フランスで大人気だけあり厳重なセキュリティの中、声援に応えていた。
もちろん日本人ドライバー、日本チームも盛んな声援が送られた。唯一の女性ドライバーである井原慶子は、コース上の数カ所にあるインタビューエリアで、「では日本語で挨拶を」とリクエストされ、「こんにちは!」と答えると沿道は大盛り上がり。中野信治とともに参戦するチーム・タイサンも、日本から駆けつけたスタッフたちとともにパレードを楽しんだ。
このパレードでは例年、ドライバーたち以外にもテーマに沿った車両が走行する。今年はニッサンGT-Rが数多く走行したほか、歴代のシボレー・コルベットもパレード。また、ル・マンの歴史にその名を刻むマツダのロードスター誕生25周年を記念し、歴代のロードスターがパレードに参加した。マツダは東日本大震災で被災された方をフランスに招待しており、ロードスターの助手席に乗り晴れの舞台にともに参加していた。