今年のル・マン24時間でLM-GTEプロクラスにエントリーしていたアストンマーチン・レーシング(AMR)の99号車アストンマーチン・バンテージV8は、クラッシュによるマシンへのダメージのため、レースへの参戦を取りやめた。これにより、今年のル・マンは54台で争われることになる。
AMRの99号車は、11日に行われた予選1回目のセッションの中で、フェルナンド・リースのドライブ中にポルシェカーブで激しくクラッシュ。リースはその後すぐにメディカルセンターに運び込まれており、左の足首を痛めたことが分かっている。
「ハイスピードでバリアに衝突したんだ。だから、一番重要なことはフェルナンドが無事だということだ」と語ったのはクラフト・バンブー・レーシングCEOのリチャード・コールマン。
「レースへの参戦を取りやめなくてはならないことは残念なことだ。ただ、ここでマシンを修理することはできない。メカニックたちは夜通し懸命に作業したが、レースをするための安全基準を満たすまでの修復することは不可能だったんだ」
クラッシュしたリースは「数秒の間気絶していたから、何が起こったかは分からないんだ」と語っているほか、データ上でも奇妙なところはなく、クラッシュの原因はまだ判明していないのだという。
ポルシェコーナーではほかにも、12日に行われた予選2回目のセッションで、AFコルセの71号車フェラーリ458イタリアが激しくクラッシュ。ドライブしていたジェイムズ・カラドはメディカルセンターに運ばれた後、意識の混濁がみられたとして、ル・マン中央病院に搬送された。ただ、チームプリンシパルのアマト・フェラーリによると、カラドにその他の大きな怪我はないという。
とは言え、FIAメディカル・デリゲートは、カラドが週末のレースに参戦できないと判断。カラドに代わって、フェラーリのGTEドライバーとして多くの経験を持つピエール・カッファーを起用することが認められた。なお、ダメージを負った1号車はシャシー交換の許可を受けており、現地時間14日15時からの決勝レースに向けて修復作業が進められている。