ニッサン/ニスモが今年のル・マン24時間に投入しているニッサンZEOD RCが、ル・マンにおける電力駆動マシンでの最速記録となる時速300kmをマークした。
環境技術を志向したマシンのための賞典外の特別枠“ガレージ#56”から今年のル・マンに参戦しているZEOD RC。マシンに搭載された電力駆動と1.5リッター3気筒直噴ターボエンジンの駆動を切り替えることが可能で、EVモードで走行した後、エンジン駆動に切り替え回生を行い蓄電、再びEVモードで走ることができ、サルト・サーキットの1周を電力のみで走ることを目標としてこのル・マンに臨んでいる。
そんなZEOD RCだが、走行セッションが始まった11日には、ギヤボックスのトラブルに見舞われたほか、コース上で赤旗が頻発したことなどもあってほとんど走行することができなかった。ただ、メカニックらの修復により12日はセッション開始から順調に走行。前日は走行できなかった本山哲も、ル・マンでは初めてとなるZEOD RCでの走行を行った。
その本山のドライビング中に、ZEOD RCはミュルサンヌで電力駆動のみで時速300kmをマーク。これは、ル・マンにおける電力駆動マシンでの最速記録となっている。
「電力でのスピードとパワーにとても驚き、素晴らしいフィーリングを得られました」と、マシンの感触を語った本山。
「電力で時速300kmに到達するという僕たちの最初の目標は果たせたので、第一歩としては最高の形になったのではないかと思います」
予選の結果、ZEOD RCは27番手から決勝レースをスタートすることに。一番の目標である電力駆動のみでの1周は、ここまでの走行ではまだ達成されておらず、その成否も含めて、決勝レースでもZEOD RCの走りに注目が集まりそうだ。