メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、今季F1に導入された最終戦のみポイントが2倍与えられる規則によって、シーズン最後までチャンピオンは決まらないだろうと語った。
2014年、メルセデスは圧倒的な強さを見せ、開幕から6連勝を挙げ、第7戦カナダGP終了時点で258点でコンストラクターズ選手権をリード、2位のレッドブル・レーシングに119ポイント差をつけている。
一方ドライバーズ選手権ではニコ・ロズベルグが140点で首位、ルイス・ハミルトンが118点で追う展開となっている。
ハミルトンはトラブルによる2回のリタイアによって22点の後れを取っている。しかしまだ12戦残っており、最終戦アブダビではポイントが2倍、つまり優勝者は50ポイントを稼ぐことができることもあり、ハミルトンが逆転するチャンスは十分あると、ウォルフは考えている。
ハミルトンがタイトルを失う可能性が高まってきていると思うかと聞かれたウォルフは「そうは思わない」と答えた。
「まだ7戦だ。あと13戦残っている。ダブルポイントを計算に入れればね」
最終戦ダブルポイントの規則はハミルトンの助けになると思うかと聞かれ、ウォルフは「その可能性はある」と述べている。
「だが何よりもまず注意すべきなのは、今や楽に勝利を手に入れられるとは限らないということだ」
「カナダではレッドブルが大量にポイントを獲得した。今のギャップをあっという間に失う可能性がある」
「(ドライバーズ選手権についてはロズベルグとハミルトンの)ふたりの間の戦いは最終戦までもつれ込むだろう。シーズン最後のレースにはポイントが2倍与えられるからね」
昨年セバスチャン・ベッテルが19戦中第16戦のインドGPでドライバーズタイトルを確定したこともあり、FIAはタイトル決定をできるだけ遅らせるため、2014年F1では最終戦のみドライバーズ、コンストラクターズ共にポイントを2倍与えることを決めた。
この規則変更が発表された後、ファンからは強い反発があり、F1関係者からも批判が出ていた。