第82回ル・マン24時間耐久レースは12日、計3回の予選セッションが行われ、中嶋一貴が予選アタッカーを務めた7号車トヨタTS040ハイブリッドが3分21秒789でポールポジションを獲得。日本人ドライバーとして初めてル・マン24時間でのポール獲得となった。
ル・マン24時間の予選は6月11日、そして12日と合計3回に渡って行われ、その中で記録されたタイムによって予選グリッドが決定となる。今年のル・マンはフリープラクティスから赤旗が多く、11日の予選1回目でもセッション終盤に赤旗が発生。トヨタ勢はアタックを行わないまま走行初日を終えた。
11日同様に晴天に恵まれた12日。予選2回目で一貴にステアリングを託した7号車トヨタが、終盤の赤旗解除と同時にポルシェ919ハイブリッド勢、アウディR18 e-トロン・クワトロ勢とともにアタックラップに入っていく。ライバル勢もタイムを縮めてきたものの、一貴のトヨタは連続でタイムを縮め、予選1回目で記録されたポルシェのタイムを塗り替え、トップで予選2回目を終了した。
30分のインターバルを経てスタートした予選3回目。美しい夕暮れから夜のとばりが降りはじめる中、再びステアリングを握った一貴は3分21秒789というタイムをマークし、2番手につけていた14号車ポルシェにコンマ3秒差をつける。その後しばらくアタック合戦は小康状態となるが、残り15分を切ったあたりから、再びトヨタ、ポルシェ、アウディによるポール争いが激化し始めた。
しかし、この時点でLMP2クラスの48号車オレカ・ニッサンがインディアナポリスでコースアウト。砂利がコース上に出ていたため、この清掃のために区間内は60km/h規制に。実質的にもうアタックができない状態となっており、緊迫の予選3回目は終了を迎えた。
この結果、一貴がマークした3分21秒789というタイムは3回の予選を通じて破られず。7号車トヨタTS040ハイブリッドが2014年のル・マン24時間のポールポジションを獲得した。日本人ドライバーにとってル・マン24時間では初めてのポール獲得で、トヨタにとってはTS020による99年以来のPPとなる。2番手は14号車ポルシェとなり、8号車トヨタTS040ハイブリッドが3番手に。20号車ポルシェが4番手、アウディ勢は3号車を最上位に、5番手~6番手からスタートすることになった。
LMP2クラスは、ティリエ・バイ・TDSレーシングの46号車リジェJS P2・ニッサンがポールポジション獲得。JOTAの38号車ザイテック・ニッサンが2番手、OAKレーシングの35号車リジェ・ニッサンが3番手と、ニッサンVK45エンジン搭載車がトップ3を占めた。井原慶子が乗り込んでいる50号車モーガン・ジャッドはクラス16番手となっている。
環境技術を志向した特別枠“ガレージ#56”から参戦しているニッサンZEOD RCは、予選2回目まではトラブルが頻発したものの、予選3回目に向けて着実にマイレージを重ねることに。3分50秒185というタイムをマークし、14日の決勝はLMP2勢に続くポジションからスタートすることになる。
LM-GTEプロクラスは、AFコルセの51号車フェラーリ458がポールを獲得。73号車シボレー・コルベットC7.Rが2番手、97号車アストンマーチン・バンテージが3番手につけた。LM-GTEアマクラスに参戦しているチーム・タイサンのフェラーリ458は、中野信治が予選を担当。クラス17番手から決勝を戦う。ル・マン24時間耐久レースは13日、市内でドライバーズパレードが行われ、14日決勝レースがスタートする。