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ル・マン24時間の走行始まる。8号車トヨタが首位発進、1号車アウディは大クラッシュ

2014年06月12日 03:40  AUTOSPORT web

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ル・マン24時間のフリープラクティスのトップタイムをマークした8号車トヨタ
第82回ル・マン24時間耐久レースは11日、サルト・サーキットで4時間のフリープラクティスがスタート。1号車アウディが大クラッシュを喫するなど波乱の走行となったが、8号車トヨタTS040ハイブリッドが悲願の総合優勝に向け首位発進となった。

 現地時間の15時、いよいよル・マン24時間耐久レースの走行セッションがスタートした。今週のル・マンは例年に比べて気温が高く、11日の走行開始時もまだ半袖で過ごせるようなコンディション。4時間に渡るフリープラクティスのコースオープンと同時に、8号車トヨタTS040ハイブリッドを先頭に多くのマシンがコースインしていった。

 今季の新レギュレーションに沿った新LMP1-H車両のスピードに注目が集まる中、2台のトヨタTS040ハイブリッド、2台のポルシェ919ハイブリッド、そして3台のアウディR18 e-トロン・クワトロを中心に、55台の車両がサルト・サーキットを周回していった。しかし開始11分、今季ガレージ#56から参戦しているニッサンZEOD RCがウォルフガング・ライプのドライブ中に、急に駆動がかからなくなりストップ。その後走行終了までピットで修復作業が行われている。

 セッションはしばらく推移していたが、開始から1時間5分というところで、ロイック・デュバルがドライブしていた1号車アウディR18 e-トロン・クワトロがポルシェカーブで高速でクラッシュ。マシンはコンクリートウォールにヒットし、そのまま衝撃でキャッチフェンスに激突。地面に落下して停止した。

 マシンはリヤエンドを中心に大破。ドライバーの生存が危ぶまれるほどマシンが破壊されていたが、セーフティセルが機能したかデュバルは幸い意識があり、足の痛みを訴えメディカルセンターに運ばれた後、ル・マン市内の病院に搬送。検査を受けている状況だ。

 セッションはその後、井原慶子が所属するラルブル・コンペティションの50号車モーガン・ジャッドがタイヤバーストに見舞われたりとアクシデントも相次いだが、残り25分というところでLM-GTEアマクラスの67号車ポルシェが第1シケインでクラッシュ。二度目の赤旗が提示された。その赤旗は19時45分に再開されたが、わずか5分後にLM-GTEアマクラスのフェラーリがクラッシュしたため再度赤旗に。そのまま終了となった。

 4時間に渡るフリープラクティスのトップタイムをマークしたのは、WEC開幕2戦で連勝を飾っている好調8号車トヨタTS040ハイブリッド。0.3秒差の2番手には、ここまでスピードでライバルに対し厳しい戦いを強いられていたアウディ勢のうち、2号車が2番手となった。7号車トヨタが3番手、クラッシュした1号車のタイムは結果的に4番手となっている。ル・マン“復帰戦”と言えるポルシェ919ハイブリッド勢は、20号車が6番手、14号車が7番手となった。LMP1-H勢のタイム差は、3ワークスの7台が3.7秒内に入る結果となっている。

 LMP2クラスは、ル・マン初参戦となるG-ドライブ・レーシングの35号車リジェJSP2・ニッサンがトップタイムをマーク。マーフィー・プロトタイプスの48号車オレカ・ニッサンが2番手、SMPレーシングの48号車オレカ・ニッサンが3番手となった。

 一方、LM-GTEクラスはアマクラスの95号車アストンマーチン・バンテージがプロクラス首位の51号車フェラーリ458を上回るタイムをマーク。プロクラスは51号車に続き97号車アストンマーチンが2番手、73号車シボレー・コルベットが3番手につけている。日本から参加のチーム・タイサンは、クラス19番手とやや苦しい走行開始となった。