F1コスト削減のため、2015年にはグランプリウイークエンドのスケジュールを見直し、セッションを1回減らそうという計画が進みつつあるが、小規模チームがこれに反対している。
現在F1チームはコスト削減策としてさまざまなアイデアを検討している。F1ストラテジーグループのメンバーである代表6チーム(レッドブル、フェラーリ、メルセデス、ウイリアムズ、マクラーレン、ロータス)において現在支持を集めているのは、金曜日のタイムテーブルを変更するという案だ。
現在は金曜日には90分のセッションを2回行っているが、来年は90分のプラクティス1回のみにするという提案に暫定的に合意がなされている。プラクティスは午後に行い、17時からのスタートになるかもしれないということだ。
プラクティスの開催を午後のみにすることによって、チームが開催地に入るのを1日遅らせることができ、それによって宿泊費などを大幅に減らせる見込みだという。
また、開催時間を遅くすれば、地元の観客は仕事や学校をまる一日休むことなくセッションを見に来ることができるため、レースプロモーターからの同意も得られると、チーム側は考えている。
しかしストラテジーグループに所属しないチームからはこの案に対して否定的な意見が出ている。
フォース・インディアのテクニカルディレクター、アンドリュー・グリーンは、セッションが1回なくなることで、チームは貴重な収入を失う可能性があると主張した。
「フォース・インディアに関して言えば、それはコスト削減には全くならない」
「我々はFP1で新人ドライバーを走らせることを常に考えている。それは収入につながるので、その機会を失うのは非常に大きな打撃となる。さらにそれは技術的な能力にも影響を及ぼす」
ザウバーのジャンパオロ・ダラーラは、小規模チームにとってはグランプリ中の走行時間はマシン開発の上で非常に重要であり、これを失いたくはないと述べた。
「コスト削減の分野は私の専門ではないから判断が難しいが、技術的に言うと、我々のようなチームにとってサーキットでの走行時間は非常に貴重だ」
「我々はシミュレーションに関してできる範囲が他のチームより小さいため、実際にサーキットを走る時間は非常に重要なのだ」
一方でメルセデスのエグゼクティブディレクターを務めるパディ・ロウは、セッションを減らすことは全チームのコスト削減につながると主張している。
「この提案の意図は、週末全体におけるマシンへの負荷を劇的に減らし、パワーユニットを中心とするパーツの消耗を減らすことにある。パワーユニットはどのチームにとっても予算の大きな部分を占める。特に小規模チームにとっては大きな負担であるはずだ」
「この案はまだ決定したわけではないが、1カ月かけて詳細を定め、最終的に承認まで持っていく。チームがこれによってコストを減らせないと考えるようであれば、もちろん見直しを行う」
チーム間で合意に達した場合、F1コミッションおよびFIA世界モータースポーツ評議会の承認を得た後に、提案がレギュレーションに組み込まれる。このふたつの会合は今月中に予定されている。