2014年F1第7戦カナダGPは8日(現地時間)、モントリオールのサーキット・ジル・ビルヌーブで70周の決勝レースが行われ、レッドブルのダニエル・リカルドが参戦57戦目にしてF1初優勝を飾った。ケータハムの小林可夢偉はサスペンショントラブルでリタイアに終わっている。
レッドブルのリカルドが劇的な幕切れで完走14台のサバイバルレースを制覇、メルセデスの連勝を止めるとともに悲願の表彰台の頂点に立った。
1周目からセーフティカーが出動したレースは、いつものようにメルセデス2台が圧倒的なペースで序盤からマッチレースを展開。彼らは15周目前後で上位勢が1回目のピットストップを終えると、1ストップ戦略で3、4番手に浮上したフォース・インディアに10秒近いギャップを築き、さらに中盤にかけてもその差を拡大。最大25秒ものマージンを築いた。
しかしメルセデス2台が激しいトップ争いを繰り広げる最中に突如トラブルが降りかかる。ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンの2台両方にパワーが十分に出ない症状が発生、2台のペースは後続のライバルよりも2秒近く落ち込み、それまで築いた大量リードを見る見る失っていった。
すると48周目にハミルトンがブレーキトラブルを発症してリタイア。ロズベルグも2度目のピットストップを行う間に1ストップ戦略で3番手につけていたウイリアムズのフェリペ・マッサにトップを奪われ、今季初めてリードラップをライバルに明け渡した。
そのマッサはメルセデスがトラブルを抱えていることから47周目に2ストップ作戦に切り替え一旦後方にダウン。これで2番手にセルジオ・ペレスが浮上するとフォース・インディアはトップを走るロズベルグの1秒以内にまで接近した。
だが防戦一方となったロズベルグもなんとかペースだけは持ち直し、必死の走りでトップを死守。しかしその間にもペレスの後ろにはダニエル・リカルドとセバスチャン・ベッテルのレッドブル2台も追いつき、さらにロズベルグのペースに抑え込まれる4台にマッサが再び忍び寄ってきた。
60周目を過ぎ、ここからレース終盤は上位5台が2秒以内でバトルを繰り広げる、まさに激戦となり優勝の行方は全く分からなくなった。ここで勝利をたぐり寄せたのは3番手を走るリカルドだった。残り4周となった1コーナーでペレスを交わすと、そこから徐々にロズベルグとの差をつめ、68周目の最終コーナーでついにトップ浮上を果たす。
これでレースは実質リカルドのものとなったが、残り2周でもドラマは続いた。チームメイトの後ろにつけていたベッテルも69周目の最終コーナーでペレスをオーバーテイク。するとファイナルラップの1コーナーで、4番手に下がったペレスとオーバーテイクをうかがっていたマッサが激しく接触。2台は高速でウォールにクラッシュし、レースはセーフティカーが出動すrことに。その結果、リカルドがそのままのポジションでフィニッシュラインを駆け抜け、F1キャリア初の優勝を手にした。
ペレスとマッサのふたりは無事だったが、順位は完走扱いの11位と12位に。一時はレースの主役に躍り出たマッサだったが、痛い代償を払う結果となってしまった。
なお、オープニングラップでクラッシュしたマックス・チルトンはデビュー戦(2013年第1戦オーストラリアGP)以来続けてきた連続完走記録がストップしている。
1/D.リカルド/レッドブル
2/N.ロズベルグ/メルセデス
3/S.ベッテル/レッドブル
4/J.バトン/マクラーレン
5/N.ヒュルケンベルグ/Fインディア
6/F.アロンソ/フェラーリ
7/V.ボッタス/ウイリアムズ
8/J-E.ベルニュ/トロロッソ
9/K.マグヌッセン/マクラーレン
10/K.ライコネン/フェラーリ
11/S.ペレス/Fインディア
12/F.マッサ/ウイリアムズ
13/A.スーティル/ザウバー
14/E.グティエレス/ザウバー
R/R.グロージャン/ロータス
R/D.クビアト/トロロッソ
R/L.ハミルトン/メルセデス
R/小林可夢偉/ケータハム
R/P.マルドナド/ロータス
R/M.エリクソン/ケータハム
R/M.チルトン/マルシャ
R/J.ビアンキ/マルシャ