多数のF1ドライバーたちから、2014年のF1タイヤは硬すぎるとの批判が出ている。
2014年F1には新たにV6ハイブリッドターボエンジンが導入され、エンジントルクが大幅に増大することを考慮し、今年ピレリは昨年よりも硬いコンパウンドを採用している。
しかし今年はマシンの空力グリップレベルが大きく減少したため、多数のマシンがタイヤのウォームアップに苦しんでいる。
ピレリはモナコGPに最も軟らかいコンパウンドの組み合わせを選択したが、それでも今年のマシンには硬すぎたという意見が出ていた。
「皆が知っていることだが、タイヤは硬すぎる」とフェラーリのフェルナンド・アロンソはモナコGP期間中に話している。
「(ピレリが)通常のタイヤを持ち込んだときには2、3周でいいグリップを得られる。でも硬めのタイヤが持ち込まれると、(タイヤがうまく機能するようになるまで)8周か9周かかる」
「僕らはものすごく遅かった。FP3でのサーマルイメージを見ると、タイヤが冷え切っていて、熱が全く入らないのが分かった」
「でも仕方がない。全員が同じ条件なのだから、他のチームよりうまくタイヤを使えるように対策する必要がある」
フォース・インディアのセルジオ・ペレスは、以前から今年のタイヤを強く批判している。タイヤの影響でF1とGP2のラップタイムの差が縮まっており、このタイム差は「恥ずかしい」と、スペインGPで彼は述べていた。
「コンパウンドを一段階ソフトにすればいいんじゃないかな」とペレス。
「今年ここまでのレースを分析してみると、もっとソフトなコンパウンドを持ち込めたと思うんだ」
「そうなればドライバーはもっと楽しめるようになる。選択肢が広がって、戦略によるポジションの変化が多くなるだろう」
小林可夢偉も、今年のタイヤは硬すぎてドライビングに非常に苦労していると述べている。
「タイヤは硬すぎてまるで石のようです。そういうタイヤで走るのは本当に難しいんです」
「氷の上を走っているような感じですね。誰もがもっと楽になるようなタイヤにすることはできるはずです」
「今はタイヤの影響で100パーセント プッシュすることができません。プッシュしたらオーバーヒートが起こるんです」
こういった意見に対し、ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは、ユーザーたちの要望には応じたいが、テストの機会が少ないことが障害になっていると示唆した。
「今もテストの機会は非常に限られているということを念頭に置く必要がある」とヘンベリー。
「目標を設定し、それが達成できたかどうかを確認する必要があるので、多数の問題に関してじっくり進めていかなければならない」
ヘンベリーはまた、ドライバーたちの意見は一貫していないとの主張も行っている。
「去年は彼らは硬いタイヤを欲しがったのに、今年は柔らかいタイヤがいいと言っている。日々意見が変わるのだ」
「メルセデスはタイヤに満足しているがね……」