第98回インディアナポリス500マイルレースに参戦し、その夜に行われたNASCARコカ・コーラ600にも参戦するダブルに挑戦したカート・ブッシュ。インディ500では6位完走を果たし、その夜のNASCAR戦に参戦。しかし、400マイル走行後にエンジンブローによりリタイアとなり、トニー・スチュワート以来の1100マイル完走は果たせなかった。
NASCAR2004年チャンピオンで今季もスプリントカップに参戦するブッシュは、NASCARコカ・コーラ600の同日に行われるインディ500にアンドレッティ・オートスポートから参戦を表明。2004年のロビー・ゴードン以来の“ダブル”に挑戦した。
これまで“ダブル”に挑戦したドライバーは、ジョン・アンドレッティ、トニー・スチュワート、ロビー・ゴードンの3人で、両方を完走し、1100マイルを走行できたのはスチュワートひとりしかいない。
予選で4列目12番手を獲得したブッシュ。翌日に行われたプラクティスでは、激しいクラッシュを喫するも大事には至らず、NASCARの予選を行い、インディ500の決勝レースに挑んだ。
序盤は、順位を下げる場面もあったものの徐々にポジションをアップしていき、ルーキーでは最上位となる6位で初めてのインディ500を終えた。
インディ500終了後は、ヘリコプターと飛行機を駆使しインディアナポリスからノースカロライナ州のシャーロット・モータースピードウェイへと移動。オープンホイールカーからストックカーに乗り換え、NASCARコカ・コーラ600に挑んだ。
28番手からスタートしたブッシュだったが、400マイルを超えレース終盤に差し掛かった272周目にエンジンブローによりリタイアとなった。1100マイル完走とはならなかったが、彼は一日で906マイルの走行を果たしている。
インディ500でブッシュを起用したマイケル・アンドレッティは、再びブッシュと仕事をしたいと考えているようだ。
「彼に脱帽だよ。本当に素晴らしい仕事をしてくれた。彼は多くの経験を持ってインディカーに来たが、ここではルーキだった。学校へ行きよく学習してくれたよ。彼は私に“もっと上手くできた”と言っていたが、彼はルーキードライバーなんだ。だから、“恥じることは何もない。君は素晴らしい月にしてくれたよ”と彼に言ったんだ」
「彼を迎え入れることは楽しみだった。チームのみんなも彼に好意を抱いていたし、再び一緒に仕事をしたいと考えているよ」とアンドレッティは語っている。