6月14日~15日に決勝レースが行われる今季のル・マン24時間耐久レースのLMP2クラスに、ストラッカ童夢S103・ニッサンでエントリーしていたストラッカ・レーシングは27日、テスト時のダメージによりエントリーを取り消すと発表した。
昨年までLMP1クラスに参戦していたストラッカ・レーシングは、今季WEC世界耐久選手権に向け日本の童夢が製作したクーペボディの新シャシー、童夢S103にニッサンエンジンを搭載しLMP2クラスに参戦することを明らかにしていたが、開幕前のテストで問題が発生したことなどから開幕2戦は欠場。第3戦となるル・マン24時間に向けて開発を行っていた。
ル・マンに向けイギリスでシェイクダウンを行い、その後シルバーストン、スパ・フランコルシャンとテストを重ねていた童夢S103だったが、スパでの走行中にクラッシュを喫し、6月1日のル・マン24時間のテストデーに車両の修復が間に合わないと判断。「非常に難しい決定」を下したという。
「テスト初日、オー・ルージュで走行していた時にコースを外れ、ダメージを受けたんだ」と語るのは、チーム監督のカール・パットマン。
「その時はダニー・ワッツがドライブしていたが、彼は無事だった。ただ車両の評価を行い、修復し、スペアパーツを用意する時間が足りなかった。タイトなプログラムだったし、戦えるチャンスはなかった」
また、ドライバーでチーム代表を務めるニック・レベンティスは、「ストラッカ・レーシングはオーガナイザー、テクニカルパートナー、そして我々のファンに、このタイミングでル・マン24時間の参戦を諦めることを謝罪したい」と語った。
「皆がこのマシンを作り上げるために、疲れを知らず働いてくれただけに、今年走れないことを申し訳なく思っている。我々はこのプロジェクトに関わる皆に、成功を届ける義務があると思っているからだ」
ストラッカ・レーシングでは、早急にスパで起きた問題を解決し、WEC世界耐久選手権に参戦を開始できるようオーガナイザーと緊密に連絡を取っているとしている。なお、ストラッカの参戦取り止めにより空いた1台の参戦枠は、LM-GTEクラスのクローン・レーシングが埋めることになるとACOから同時に発表されている。