スーパー耐久シリーズ第2戦スポーツランドSUGO/チーム結成2年で初優勝を遂げた81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-R スーパー耐久シリーズの第2戦が5月24~25日にスポーツランドSUGOで開催され、今季初登場となる星野一樹/青木孝行/尾本直史組の81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-Rがポール・トゥ・ウインを達成。チーム結成2年目の初優勝となった。
予選の最速タイムは24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢が記すも、タイムの合算によってポールポジションは81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが獲得。路面の全面改修でレコードラッシュの期待がかかったが、夏日の陽気がそれを拒むこととなった。青木は記録した1分21秒台に対し、「実際に狙っていたのは19秒台。でも、一樹が走った時のセットが全然ハマってなくて、次に僕が走った時には正反対の方向にいっちゃったもんだから……」と、大幅更新の可能性もあったのが惜しまれる。
なお、予選は2グループに分けられて計測され、ST-Xクラスと同じAグループのST-1クラスでは中山雄一/平川亮/畠中修組の37号車KeePer I.P.Sが、ST-2クラスは大澤学/吉田寿博/松田晃司組の52号車STURM MOTUL EDインプレッサが、ST-3クラスでは前嶋秀司/佐々木雅弘/廣川和希組の35号車asset ings Z34がトップ。続くBグループでは、ST-4クラスで吉本晶哉/太田侑弥組の93号車SKR ENGINEERING S2000が、ST-5クラスで松井猛敏/中島保典/荒聖治組の95号車リジカラFIT3がトップとなった。
決勝レースは予選のような晴れ間には恵まれなかったものの、終始ドライコンディションを保ったままでの戦いとなる。スタートは青木がしっかり決めたのに対し、その後方ではスリーボンド日産自動車大学校GT-RのGAMISAN、そして3号車ENDLESS ADVAN Z4の峰尾恭輔による攻防が。激しさ2番手争いによって、青木はわずか1周で3秒の貯金を稼ぎ、周回を重ねるごと増やしていった。
6周目に峰尾がようやく2番手に出るが、青木が逃げ続ける状況にはまったく変化がなかった。25周目にスリーボンド日産自動車大学校GT-Rは早くも藤井へと交代、巻き返しに期待がかかるも、それからわずか20周でドライブシャフトが音を上げて戦線離脱。
55周目に青木からバトンを託された星野も、一向に手綱を緩めようとせず。94周目からは尾本もドライブ。再びENDLESS ADVAN Z4に乗り込んだ峰尾が、意地で差を詰めるもプレッシャーには及ばず、GTNET ADVAN NISSAN GT-Rが待望の初優勝を飾った。
「やっと勝てて、本当に嬉しいです。まずはスタートラインに立てたって感じなので、このまま3人で勝ち続けたいと思います!」と星野。
ST-1クラスでは、ラスト12分にドラマが起きる。今回はピットストップのハンデもなく、しかも予選同様の速さを決勝でも見せたKeePer I.P.S。中山と平中の完璧なリレーで大量のリードを築き、あとは畠中がチェッカーを受けるだけだったが、セルモーターのトラブルでエンジン再始動することができず、無念のリタイアを喫した。土壇場の大逆転を果たしたのは、堀主智ロバート/山野直也/佐藤茂組の9号車Faust Racing BMW Z4。山野がコースアウトするハプニングもあったが、見事帳消しとして2連勝を果たした。
ST-2クラスは、STURM MOTUL EDインプレッサが2連勝。最後まで安定したスピードを見せつけた。一方、今回からエボXを投入予定だった大橋正澄/阪口良平/浅井亮博の20号車RSオガワADVANランサーは、テストの結果が今ひとつだったため、急きょエボIXに戻すことに。序盤こそトップを争い合ったが、再びオーバーヒートが発生し、3位に甘んじた。2位は藤井芳樹/関豊/高橋卓矢組の7号車新菱オートエボIXが獲得。
ST-3クラスでも35号車asset ings Z34が、圧倒的な速さで2連勝。練習ではセットが合わず不調を訴えたものの、予選からぶっつけ本番で入れたパーツが大正解となり、そこからずっと首位を保ち続けた。2位も大西隆生/松原怜史/清原清斗組の34号車asset ings Z34が獲得し、見事ワンツーフィニッシュを飾っている。
ST-4クラスでは終盤に、中村嘉宏/濱野彰彦/井入宏之組の92号車SKR ENGINEERING S2000、そして小泉和寛/村田信博/小河諒組の13号車ENDLESS ADVAN 86による、壮絶なバトルが繰り広げられた。中盤に井入が激走を見せてトップを走るも、交代した中村がコースに戻ると、目の前には最終スティントを託された小河の姿が。そこからゴールまで僅差の戦いが続き、残り3分で中村が逆転。しかし、最終ラップに小河が再逆転に成功し、ENDLESS ADVAN 86が優勝を飾ることとなった。
ST-5クラスはまたもフィット3同士の激しいトップ争いが繰り広げられ、今回はさすがにリジカラFIT3も終始ポジションキープとはいかず。だが、山下潤一郎/山田英二/森田登組の2号車ホンダカーズ野崎with CUSCO&BOMEXは、序盤の接触でオレンジボール旗が出され、梅本淳一/奥村浩一/大野尊久組の99号車BRP★J’S RACINGフィット3は電気系トラブルに泣く。気がつけばリジカラFIT3が独走として2連勝を飾り、野上敏彦/谷川達也/小原健一組の17号車DIXCELアラゴスタNOPROデミオが2位につけて、フィット3勢から表彰台の一角を奪い去った。
スーパー耐久第3戦は、7月26、27日に富士スピードウェイで7時間のレースが行われる。
(はた☆なおゆき)