2014年F1第6戦モナコGPは25日(現地時間)、モナコ・モンテカルロの市街地サーキットで78周の決勝レースが行われ、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグがポール・トゥ・ウインで2年連続、通算5勝目を挙げた。ケータハムの小林可夢偉は13位となった。
今年で72回目を迎えた歴史と伝統のモナコGP。過去10年でポールポジションからの優勝が実に9回と、スタートのグリッドが最も重要視されるレースだ。前日の予選では、今季開幕から負けなしのメルセデスAMGがまたもフロントロウを分け合い、低速コースのモナコでもこれまで同様のアドバンテージを示した。
レースは、ポールポジションからのスタートを決めたロズベルグがルイス・ハミルトンを従え1コーナーを通過、レース序盤の主導権を握るとチームメイトの激しいプッシュを受けながらもトップで周回を重ねて行く。
一方、3番手にはスタートで遅れたダニエル・リカルドに代わってセバスチャン・ベッテルが浮上。しかしベッテルは、オープニングラップのセーフティカーランが明けた4周目に突如スローダウン。彼はピットインして再度コースに復帰したものの、ギヤボックス関連のトラブルでリタイアに追い込まれてしまった。
レースをリードするメルセデス2台はほぼ1秒間隔でその後も周回、ベッテルの脱落で3番手に浮上したキミ・ライコネン以下を大きく引き離していき、10周目で5.5秒、20周目には約12秒のギャップを築き、チームメイト同士のマッチレースへと持ちこんでいく。
しかし20周を過ぎると首位ロズベルグの左フロントタイヤにグレイニングが発生。すると25周目にザウバーのエイドリアン・スーティルがトンネル出口でクラッシュしたため、この日2度目のセーフティカーが出動。ここで、ウイリアムズのフェリペ・マッサを除く多くのマシンがピットに入ってタイヤを交換。スーパーソフトでスタートしていた上位勢はソフトタイヤを装着することになる。
だが、3番手でコースに復帰したライコネンはSCランでマルシャに追突され、イレギュラーの再ピットでトップ10圏外に落ちてしまった。
31周目にレースが再開すると、仕切り直しとなったロズベルグとハミルトンのマッチレースが再びスタート。ライコネンに代わって3番手に復帰したリカルドは、やはり周回毎にトップ2台に離されていき、レース中盤は4番手のフェルナンド・アロンソを従え単独でレースを進めることとなった。
メルセデス2台の争いは中盤から終盤にかけても1秒前後で推移。その間も後続の何台かがコース上でストップするも、モナコが誇るマーシャルの素早い作業によってセーフティカーが出ることなく、レースはクライマックスへと向かっていく。
レースが決着したのはハミルトンに生じた異変。70周目を前に左目の異常を訴えたハミルトンはペースを一気に落とし、優勝争いから一歩後退。すると、終盤にファステストラップを連発したリカルドの追い上げを受け、最後はテール・トゥ・ノーズのバトルに持ちこまれることとなった。
結局レースは、ポールからの逃げ切りでハミルトンを退けたロズベルグが、燃料セーブも乗り越えフィニッシュ。今季2勝目、通算5勝目のトップチェッカーで昨年に続くモナコ連覇を果たした。
ハミルトンはリカルドを抑えきって2位。4位フェルナンド・アロンソ、5位ニコ・ヒュルケンベルグと続き、ジュール・ビアンキが9位に入りマルシャが参戦以来初のポイント獲得を果たした。