5月23日に、イギリスでニッサン/ニスモが発表した、2015年からWEC世界耐久選手権/ル・マン24時間耐久レースのLMP1クラスへの『ニッサンGT-R LMニスモ』の参戦。一夜明けたモナコGPにルノースポールF1の徳永直紀(テクニカルディレクター)の姿があったので、この件を直撃してみると、「その件に関しては、どうでしょう? これから徐々に日産の方がアナウンスすると思います」と、肯定とも否定ともとれないコメントにとどめ、明言は避けた。しかし、F1の話題になると、いつものように冷静な分析を行ってくれた。
「オフシーズンからハードウェアはかなり変更しましたが、それは信頼性の問題を解決するためです。ここ数戦のパフォーマンスの向上はソフトウェアとマッピングの変更によるところが大きいです。ただ、まだメルセデスAMGとの差は大きいですね」
その可能性として考えられるのは、足回りでメルセデスAMGが何かやっているのではないかということだ。というのも、プールサイドシケインではメルセデスAMGのマシンだけ、実にスムーズに縁石を乗り越えていっているのである。
「もし、それが本当なら、それはパワーユニットやダウンフォースの差ではなく、サスペンションで何かやっている可能性が高いですね」
現在はまだ劣勢のルノー勢だが、まだまだ開発できる余地は残されているという。そのひとつとして挙げられるのが、燃料だ。今回のモナコGPには、トタルが馬力をアップさせた燃料を投入した。そのことについて尋ねると、「燃料は効きます」ときっぱり。市街地コースのモナコではその差が見えにくかったが、次のカナダGPでルノー勢がどんなパフォーマンスを披露するのか、注目したい。
(尾張正博/F1速報)