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2015年からのニッサンLMP1計画に日本の関与&日本人ドライバーの参戦は?

2014年05月24日 00:30  AUTOSPORT web

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23日に行われたニッサンLMP1発表会で説明するニスモ宮谷正一社長、グローバル・モータースポーツダイレクターのダレン・コックス
23日、ニッサン/ニスモは、2015年から『ニッサンGT-R LMニスモ』という車名でWEC世界耐久選手権/ル・マン24時間のLMP1クラスに参戦すると発表した。日本のファンにとっては、総合優勝を争いトヨタ、ポルシェ、そしてアウディと対決する中にいかに日本のニスモ、そして日本人ドライバーが関与してくるのかが気になるところだ。

 1986年からスタートしたニッサンのル・マン挑戦は、その時々で体制が変わっており、黎明期は日本のニスモ、1989~90年はニスモとヨーロッパに設立されたNME(ニッサン・モータースポーツ・ヨーロッパ)、アメリカのエレクトラモーティブ/NPTIの3極体制だった。また、95年~96年のGT-R LMでの挑戦は再びニスモ、R390の参戦時はTWRとのタッグと体制が変わっている。

 16年ぶりに総合優勝を争うことになるニッサンだが、気になるのはその体制だ。「GT-R LMニスモのデザイン、製作は、日本のDNAをルーツとしたグローバルなプロジェクトになる。チームのエンジニア、テクニカルクルーは日本、アメリカ、ヨーロッパから構成される」とニスモの宮谷正一社長は語るが、ル・マン参戦後、スーパーGTのトップチームとして活躍、ニッサンのスポーツブランドとして成長してきた日本のニスモは、今回のLMP1プロジェクトにどう携わってくるのだろうか。

「ニスモはプロジェクトの管理、エンジニアリング、オペレーションのサポートとして、強力にプロジェクトに関わっていきます」と宮谷社長は語る。

「我々のスーパーGTへの長期にわたる参戦を通じて得られたモータースポーツエンジニアリングとオペレーション力、GT3スペックのGT-Rの開発、LMP2エンジンへのテクニカルサポートはフル活用されるでしょう」

 また、宮谷社長はLMP1への関与にともない、GT500で培われた技術がLMP1へ、逆にLMP1からGT500への技術が応用されると強調。また、LMP1の活動にともない、他のシリーズへの参加が減らされることはないと言う。

「このLMP1プログラムは真新しいイニシアチブをもったプログラムで、他のプログラムを除くことはありません。我々の狙いはスーパーGTで勝ち、LMP2で勝ち、GT3プログラムで勝利を収めV8スーパーカーを制し、そしてLMP1で勝つことです」

 また、気になるのはLMP1を誰がドライブするかだ。WEC世界耐久選手権では、2台がワークス体制で臨むことになっているが、「現時点では誰がドライブするかは決まっていない」とニッサンのグローバル・モータースポーツダイレクターを務めるダレン・コックスは語っている。

「ただ、ニッサンには多くのさまざまな経験を積んだ、非常に優秀なドライバーがいる。日本のスーパーGTは我々の人材の宝庫であり、ニッサンGTアカデミーの卒業生たちは、すでにル・マンの経験をもっている」

「我々のベストなゴールは、我々が考える最高のドライバーたちがドライブできるようにすることだ。すでにニッサンの“ファミリー”にいるドライバーもそうだが、新たにファミリーに加わるドライバーもいるだろう。どんなところから来て、どんな国籍のドライバーかは重要ではない。ニッサン/ニスモにとって、その速さが重要なのだ」

 日本のファンとすれば、1998年にニッサンの過去最上位をマークした星野一義/鈴木亜久里/影山正彦組の3位を上回る成績を期待せずにはいられない。ニスモ宮谷社長は、「あなたにとってル・マンの勝利とは?」という質問に対し、こう答えた。

「ル・マンは耐久レースの中心であり、ニスモは昔からその勝利を求め続けています。我々の最上位は3位であり、ニッサンとニスモの従業員は、総合優勝を渇望しています。もし達成することができれば、それは私にとってももちろん、すべての従業員、ニッサンユーザー、そしてファンのために大きなものとなるでしょう」