トップへ

ニッサン、2015年から“GT-R”の名でLMP1参戦! 16年ぶりにル・マンの総合優勝争いへ

2014年05月23日 22:30  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

横浜のニスモ本社で撮影された新LMP1のイメージ。ニッサンGT-RはGT500、GT3に続きLMP1にもその名が冠されることになった。
ニッサン/ニスモは23日、イギリス・ロンドンで記者会見を開き、2015年からWEC世界耐久選手権/ル・マン24時間耐久レースのLMP1クラスに、『ニッサンGT-R LMニスモ』という車名で参戦すると発表した。LMP1はル・マン24時間における最高峰クラスで、1999年以来16年ぶりに総合優勝争いに参加することになる。

 ニッサン/ニスモは今年、環境技術を志向したマシンのための賞典外の特別枠“ガレージ#56”からル・マン24時間に参戦。エンジン駆動時の蓄電後、ル・マンが行われるサルト・サーキット(13.629km)を電力だけで1周走行できる能力を備えた『ニッサンZEOD RC』を投入する。15年からのLMP1参戦にあたっては、このZEOD RCで培ったノウハウを活用するという。

 会見の冒頭に登場したニッサンのアンディ・パーマー副社長は、LMP1参戦に関して「ライバルたちに対し、まったく異なる方法で勝ちたいと思っている。我々は、ポルシェ、アウディ、トヨタと同じ枠のマシンに収めるつもりはない。他とは違ったものを目指している」とコメント。また、「ZEOD RCのノウハウを使ってLMP1に打って出たい」とも述べている。

「歴史の1ページに残るようなマシンになることを約束する。ル・マンに勝つだけではなく、サーキットでの成功と市販車での成功をつなぐという役割を果たし、長年に渡り記憶に残るようなマシンになると思う」

 続いて登場したニスモの宮谷正一社長は「ニッサンGT-R LMニスモのデザインと開発は、日本に固く根付いたDNAを備えたグローバルなプロジェクトです。チームは日本、米国、そして欧州からのエンジニア、そして技術陣からなります」と語り、ニスモがプロジェクトに「強力に関与」するだろうとした。マシンの名称に関しては次のように説明している。

「ル・マン復帰に際し、参戦マシンはニッサンのパフォーマンスの象徴であるGT-Rの名を選びました」

「私たちは既にGT-Rで、スーパーGT、GT3といったモータースポーツに何度も参戦しています。私たちにとって、LMP1は究極のテストです。ル・マンにはやり残したことがありましたが、『ニッサンGT-R LMニスモ』で優勝を目指すという目標ができました」

 ドライバーラインナップに関しては、現在検討が続いており、決定し次第発表されるという。テストの日程や技術的な詳細も今後明らかにするとした。

 会見には他にも、ニスモ・グローバルヘッド・オブ・ブランド/マーケティング&セールスのダレン・コックスやACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長、そして今年のル・マンでZEOD RCをドライブする本山哲/ルーカス・オルドネス/ウォルフガング・ライプも登場。加えて、FIA国際自動車連盟のジャン・トッド会長もビデオ出演した。

 ニッサン/ニスモが15年からの参戦を発表したWEC/ル・マンのLMP1クラスでは、今年からメーカーチームにハイブリッドシステムの搭載を義務付ける先進的な車両規則を導入。トヨタ、アウディ、そして今年からはポルシェも参戦し、ハイブリッド車両によって総合優勝が争われている。