2014年05月23日 12:10 弁護士ドットコム
インターネット動画サイトYouTube(ユーチューブ)に動画を投稿し、広告収入を得ている人たちのことを「ユーチューバー」と呼ぶそうだ。視聴者が広告をクリックしたり、視聴したりすれば、広告収入が得られる仕組みで、なかには年間1000万円以上を稼ぐ人もいるという。
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面白い動画さえできれば、誰でも一攫千金が狙えるというこの仕組み。最近では、中学生の人気ユーチューバーもいるという。子どもが「広告収入」なんて、一昔前なら考えられないが、そうなると知りたいのが「中学生でも税金を支払う必要があるの?」という点だ。
中学生だったとしても、自ら確定申告などの手続きをして、税金を納める必要があるのだろうか。また、子どもが稼いだ場合、親への影響は何かあるのだろうか。益田あゆみ税理士に聞いた。
「中学生も、場合によっては確定申告をして、納税しなければならないこともあります。
中学生の本業は義務教育を受けることなので、広告収入は副業扱いになります。そこで、確定申告では、『雑所得』として計算することになりますね」
益田税理士はこのように切り出した。どれぐらい稼げば、確定申告をしなければならなくなるのだろうか。
「まず、1月1日から12月31日までの1年間の広告収入から、ネット通信費などの必要経費を差し引いた額が、その年の『所得』となります。
もし、所得が38万円を超えたならば、翌年の3月15日までに、税務署へ確定申告書を提出しなければなりません。
そうすれば当然ながら、所得税を納税しなければなりませんし、所得金額によっては相応の住民税も発生します」
中学生でもこうした納税義務は大人と同様に発生するようだ。
他に注意すべき点はないのだろうか。
「もし、年間で130万円以上の広告収入を得た場合には、親の社会保険の扶養から外れることになりますので、中学生自身が国民健康保険に別途加入することになります」
そこまで稼げるというのは例外中の例外だろうが、場合によっては、社会保険まで中学生自身に発生することになるようだ。
「子どもが高校生以上になると、親の所得にも影響する可能性がありますので、注意が必要です。
その年の12月31日時点で16歳~18歳の子どもを扶養している場合は、親の所得から38万円の『扶養控除』を受けられます。ところが、子どもの年間合計所得が38万円を超えると、扶養控除の対象外となってしまうのです」
益田税理士はこのように注意をうながしていた。間違った申告をしないためにも、ユーチューバーの子どもがいる親は、子どもの収入についてじっくりと話し合っておく必要がありそうだ。
【取材協力税理士】
益田あゆみ(ますだ・あゆみ)税理士
東京都生まれ。高卒。通称“セラピスト税理士”日本で1番最初に、メンタルサポートを業界に取り入れる。経営相談には女性特有の悩みも織り込み、特に女性起業家から安心感と共感を得る。米国会計事務所に勤務経験があり、アメリカ税務の相談にも応じている。
事務所名 : 益田税理士事務所
事務所URL: http://ayumi-office.com/
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