GTアジアの第1ラウンドが17日~18日に韓国のコリア・インターナショナル・サーキットで開催され、アンソニー・リウ/ダビデ・リッツォ組スピリット・オブ・レースのフェラーリ458 GT3が2レースとも優勝を飾った。
今季もアジアン・フェスティバル・オブ・スピードの1シリーズとして開催され、ヨーロッパ等からも注目を集めているGTアジア。第1戦はF1韓国GPの舞台となったコリア・インターナショナル・サーキットで開催された。
迎えたプロドライバーによる予選1では、アストンマーチンNBチームのV12バンテージGT3をドライブした、日本でもおなじみアンドレア・カルダレッリがトップタイムをマーク。2番手に澤圭太のフェラーリ、3番手にマクラーレンワークスドライバーのロブ・ベル駆るマクラーレンMP4-12C GT3となった。続く予選2では、スピリット・オブ・レースのフェラーリ勢が速さをみせる。ルイ・アグアスがトップタイム、リウが2番手につけ、ベルと組んでいる濱口弘のマクラーレンが3番手につけた。
レース1では序盤から激しいレースが展開されたが、混戦を制したのはリウ/リッツォ組のフェラーリ。最終的に濱口/ベル組のマクラーレンに5.9秒のギャップをつけ、GTアジアデビューウインを飾った。3位にはウォーレン・ラフ/フランク・ユウ組のアストンマーチンが入り、アレックス・ユーン/マット・ソロモン組アウディが4位となった。
レース2でもリウ/リッツォ組のフェラーリがペースを握り、濱口/ベル組のマクラーレンに1.9秒差をつけ連勝を飾ることに。3位にはジャン・シン/マックス・ワイザー組アストンマーチンが入った。
また、今回の2レースでGTMクラスの連勝を飾ったのは、かつてホンダのワークスライダーとしてWGPに参戦、脊髄損傷の大ケガを負い車椅子の生活となってからも、ハンドドライブで四輪レース/ラリーに参加を続けて来た青木拓磨だ。
青木は今季、ディランタ・マラガムワ率いるディランゴ・レーシングからランボルギーニ・ガイヤルドを駆りGTアジアのGTMクラスにフル参戦を開始。台湾のトップスピード・レーシングが走らせるフェラーリ458チャレンジ勢がライバルとなったが、予選から速さをみせると、レース1/2とも制し連勝を飾った。
「これが事故の後、初めての国際イベントでの勝利です。本当に嬉しいですね」と青木。
「表彰台に上ることができれば嬉しいと思っていましたが、木曜日に初めてドライブした程度だったので、期待はしていませんでした。でもマシンは素晴らしかったですし、チームは素晴らしい仕事をしてくれました。メカニック、家族、そしてチームに誘ってくれたディランタに感謝しています」と青木は車椅子で表彰台に上り、頭からシャンパンを被り喜びを爆発させた。
次戦のGTアジアの舞台はオートポリス。スーパーGT第3戦のサポートイベントとして開催予定だ。次戦からは日本からのチャレンジャーの参戦も予定されており、より熾烈なレースが展開されそうだ。