今年で42回目の開催となる『ADACチューリッヒ24時間レース(通称:ニュルブルクリンク24時間)』のエントリーリストが発表され、175台にのぼる参加台数が明らかにされた。
ニュルブルクリンクのグランプリコース、そして難攻不落の北コースを組み合わせたコースで24時間を戦う過酷なレース、ニュルブルクリンク24時間。毎年メーカーのセミワークスチームから純粋にレースを楽しむプライベーターまで多くのエントリーを集めているが、プロ化が進む今季は175台のエントリーを集めた。
トップ争いを繰り広げるであろうFIA-GT3車両を使用するSP9 GT3クラスには、アウディR8 LMSウルトラが最多の8台、昨年このイベントを初制覇したメルセデスベンツSLS AMG GT3が7台、そして24時間レースで最多優勝を誇るBMW Z4 GT3が6台、ポルシェ911 GT3Rが4台、ニッサンGT-RニスモGT3が3台、マクラーレンMP4-12C GT3が2台、アストンマーチンV12バンテージGT3とフェラーリ458が各1台の計32台となった。
特に、アウディを走らせるフェニックス・レーシング、BMWのチーム・シューベルトとマルクVDSはスポーツカーレースやDTMに参戦するドライバーなど実力派が揃っており、このあたりが優勝候補となりそう。また、昨年PPを獲得したアストンマーチン・レーシング、メルセデスのHTPなども上位争いに絡みそうだ。
ニスモ30周年を記念し、日欧によるチーム体制を敷くRJNのエントリーによるニッサンGT-Rのドライバーは、すでに30号車にミハエル・クルム/田中哲也/星野一樹/千代勝正、80号車にニック・ハイドフェルド/アレックス・バンコム/ルーカス・オルドネス/フローリアン・シュトラウスと発表されていたが、残る1台、シュルツ・モータースポーツの24号車も山内一典/ジョルダン・トレッソンに、トビアスとミハエルのシュルツ兄弟が加わることとなった。4月に行われたニュル耐久シリーズのVLN第3戦ではバンコムがドライブしたRJNのGT-Rがポールポジションを獲得しており、どこまで地元チームに肉薄できるかが興味深い。
今年新設された改造範囲の広いSP-PROクラスには、マンタイのポルシェ911 GT3 RSRとGAZOO RacingのレクサスLFA Code Xがエントリー。ただし今年ポルシェはワークスドライバーを派遣していない。GAZOO Racingは、53号車(LFA Code X)は飯田章/脇阪寿一/井口卓人/石浦宏明で、SP8クラスの48号車は木下隆之/石浦宏明/大嶋和也/影山正彦、52号車(IS F)はトヨタのテストドライバーである勝又義信/高木実、SP3クラスの86号車(86)は影山正彦/佐藤久実/蒲生尚弥/勝又義信となっている(一部ドライバーはダブルエントリー)。
SP3Tクラスの118号車スバルWRX STIは、昨年同様吉田寿博/佐々木孝太/マルセル・ラッセー/カルロ・バンダムという顔ぶれでクラス優勝奪回を狙う。また市販車に最も近いV3クラスにはマツダモータースポーツ・チームイオタがマツダMX-5(ロードスター)でエントリー。加藤彰彬/ステファン・ヨハンソン/オーウェン・ミルデンホールというトリオで臨む。
さらにSP3クラスには山下潤一郎/関豊/大井貴之(ホンダS2000)、梅本淳一/奥村浩一/赤星陽太郎(ルノー・クリオ)、V4クラスには瀬谷隆/下島洋介(BMW 325i)の名前もある。ドミニク・シュワガー(#9アウディ)、ピーター・ダンブレック(#44ポルシェ)ら、日本ではおなじみの名前も見受けられる。また新設されたカップ2クラスにはBMW M235iレーシングが初登場となる。
ニュルブルクリンク24時間は、6月19~22日(決勝21~22日)に行われる。今年はJ SPORTSでもテレビ放映が決定しており、日本のファンにとってもますます注目のレースと言えそうだ。
(Kazuya Minakoshi)