近年、多くのエントラントを集めるGT3カー/GTMカーで争われるGTアジアシリーズ。その開幕戦が、5月17日~18日に韓国のコリア・インターナショナル・サーキットで開催される。
日本はもちろん、中国や台湾、香港、マレーシア、オーストラリア等から多くのエントラントが参加し、FIA-GT3規定のマシンが数多く集まるGTアジア。今季は第1戦が韓国で開催され、第2戦がスーパーGT第3戦の併催としてオートポリスで、第4戦がスーパーフォーミュラ第3戦の併催として富士スピードウェイで開催される。
シリーズはその後マレーシアのセパンで2戦、WTCCの併催で上海、F3マカオGPの併催でマカオ・ギアサーキットで開催されるが、今季も楽しみなエントリーが数多く集まっている。
年間では35台のエントリーが集まっているが、GT3クラスではクラフト・レーシングとWTCCでおなじみだったバンブー・エンジニアリングが合併、アストンマーチン・レーシングのサポートを受けるクラフト・バンブー・レーシングに注目が集まる。AMRワークスドライバーのステファン・ミュッケが参戦し、フランク・ユウとコンビを組む。
また、アウディを走らせる中国のアブソリュート・レーシングや、フェラーリ458を2台、マクラーレンを1台走らせるクリアウォーター・レーシング、BBT・バイ・AFコルセ、ディランタ・マラガムワ率いるディランゴ・レーシングなど近年メキメキと実力を上げてきたアジアの強豪がエントリーに名を連ねている。
もちろん、日本からも楽しみなエントリーが多く見られる。ポルシェ911 GT3Rで参戦するチームKRMをはじめ、スーパーGT300クラスでB-MAX NDDP GT-Rを走らせるB-MAX Racing TeamもニッサンGT-RニスモGT3をGTアジアに初めて持ち込む。B-MAXのGT-Rは、ドライバーもF3に参戦する吉田基良と田中哲也が組む強力なものだ。両チームは第1戦韓国には参戦しないが、オートポリスでの第2戦から上位に食い込むはずだ。
日本人ドライバーも多い。KRMのTAKASHI/Aki Miyazakiをはじめ、フル参戦となるクリアウォーターのフェラーリを駆るGTアジア上位常連の澤圭太、クリアウォーターのマクラーレンを、マクラーレンワークスドライバーのロブ・ベルとドライブする濱口弘など実力あるドライバーが参戦する。
また、見逃せないのが青木拓磨のフル参戦だ。二輪WGPに参戦も脊髄損傷の大ケガを負った青木だが、「障がいをを負っても健常者と戦えることを証明するため」とその後もレースへの情熱は衰えず、スーパー耐久やアジアクロスカントリー・ラリーへの参戦を経て、昨年の富士戦でGTアジアに初挑戦。今季はディランゴ・レーシングから、ランボルギーニ・ガイヤルドLP560でGTアジアに挑戦することになった。
GT3クラスには、その他にもアレックス・ユーンや、スーパーGT500クラスで活躍するアンドレア・カルダレッリの名もエントリーに見られる。また、カップカーで争われるGTMクラスには、台湾の強豪トップスピード・レーシングが大量5台をエントリー。いずれも日本のトップドライバーのコーチを受けたドライバーばかりで、上位を争うことになりそうだ。