GP2第2戦バルセロナ、カタルーニャ・サーキットは佐藤公哉にとって遠い地ではない。これまでのカテゴリーで何度も走行しており、よく知っているコースでもある。
だが、予選は不本意な17位。
「予選でドライバーが1周きちんとまとめてもトップから1秒遅いので、根本的に間違っているところがある。クルマを見直さないといけない」と、佐藤の言葉は重い。
それでもレースではスタートで「ミスった」と言いつつも「セクター1でアウトから順位を上げることができた」と、オープニングラップで一気に10番手近くまで順位を上げて、セーフティカー空けには9番手まで順位を上げた。そして、予定どおり6周目でピットイン。ここで、佐藤の運命が変わった。
「タイヤ交換後にリミッターボタンに当たってしまった」と本人が認めるように、ピットレーンで速度違反を犯してしまい、ドライブスルーペナルティ。そして「あとはただ走っていただけだった」と19位という結果に終わってしまう。その後の調査で、ピットレーンの速度違反はリミッターボタンに当たったタイヤ交換後ではなく、ピットレーン進入時の速度違反だったことが判明。いずれにしても、シングルフィニッシュが濃厚だったレース展開をワンミスで棒に振ってしまい。佐藤の落胆は大きい。
レース2では19番手スタートからレース終盤にオーバーテイクを重ねて15位フィニッシュ。だが、佐藤の表情はまったく晴れていない。
「ペース的には僕たちのクルマは強かったと思うんですけど、決定的に僕たちのクルマは遅いコーナーからのトラクション不足でホイールスピンに悩まされた。ブレーキングでは詰まるけど、コーナー出口が遅いので抜くに抜けない。それでずっと遅いクルマに付いていって、本当に最後の最後に前のクルマのタイヤが終わってから、ようやく抜けるようになりました。でも、最後尾争いなんで、全然ダメですね」
バルセロナでの佐藤公哉について、たらればで言えば、レース1をシングルで終えていればレース2はリバースグリッドで上位スタートとなり、ふたつのレースでポイント獲得のチャンスは大きかった。それだけに、落胆する佐藤の気持は十分に察せられる。
「トップ10を走っていても、1km/hの速度違反、あのペナルティで今週末は終わってしまった。ワンミスでこんなになるなんて、本当にとんでもないカテゴリーに来てしまったという感じです」