タイヤ交換義務のないGP2レース2のポイントは、決勝スタートとタイヤが厳しくなったレース終盤。今回のレースも、その典型的な展開となった。
小雨が上がったばかりで始まった今季第2戦バルセロナでのレース2。路面は若干、濡れた状態ながら晴れ間が見えており、全車スリックタイヤでスタート。どのマシンも慎重なスタートを切るが、3コーナーで11番グリッドのアルテム・マルケロフと12番グリッドのシモン・トルーマーが接触して、トルーマーが挙動を乱し、そこに18番グリッドのコナー・デイリーが突っ込む形で2台はコースオフ。若干、波乱のスタートとなった。
上位はリバースグリッドでトップのトム・ディールマンがそのまま1コーナーへ。続いて6番グリッドのウイリアムズのリザーブドライバ-、フェリペ・ナスール、4番グリッドのリオ・ハリアントが続く。20番グリッドの伊沢拓也はスタートを決めて17番手、佐藤公哉は19番手からひとつ順位を上げて鬼門のスタートを切り抜ける。
その後。オープニングラップでトップのディールマンとナスール、そして順位を上げたパーマーの上位3台がバトルし、ナスールがトップに。その後、ディールマン、パーマー、アーサー・ピックが続き、周回を重ねていく。4周目にパーマーがディールマンをオーバーテイクして2番手が入れ替わると、そこからは小康状態に。タイヤをセーブしつつ周回を重ねる展開となる。
そしてレースが動き始めたのは、20周を過ぎて残り6周となった頃。トップのナスールはひとり独走状態となったが2番手パーマーが2コーナーでコースアウト。なんとか無事にコースに戻って2番手をキープするが、3番手のディールマンと4番手ピックがテール・トゥ・ノーズの接近戦で順位を争えば、中団ではタイヤのグリップを失ったマシンと、タイヤマネジメントで終盤に懸けたマシンが入り乱れる。
伊沢のチームメイト、ストフェル・バンドーンは着々とオーバーテイク、13番手から10番手まで順位を上げる。15番手まで順位を上げた伊沢も、1台づつオーバーテイクして順位を上げていく。佐藤も終盤に一気に数台を抜き去り15位に。
トップは結局。独走のナスールがレース1に続く連続表彰台獲得&今季初優勝。パーマーが2位に入り、ランキングトップを守った。3位はディールマン。伊沢は最終周に後方の1台にかわされてしまったが13位フィニッシュ。佐藤も15位でレースを終えた。