開幕戦のレース1と同じ23番グリッドからレースを迎える伊沢拓也。前回のバーレーンではコース上で10台近くのマシンをオーバーテイクし、17台抜きの6位という偉業でF1関係者からも注目を浴びることとなったが、このバルセロナではその再現はならなかった。
しかも、今回はマシンにさまざまなトラブルが出てしまい、決勝では苦しみながらの走行を強いられることとなった。
まずはスタート。前回のバーレーンの反省を活かして、これまでとは異なるスタート方法を試したが、いきなりグリッド上でストール。
「オイルプレッシャーのアラームが点灯して、それで自動的にセキュリティが掛かってエンジンが切れてしまった。もう一回、かけ直したんですけど、もうアラームが付きっぱなしでダメでした」とその時の状況を振り返る伊沢。
チームメイトのストフェル・バンドーンも同じくストールしており、ARTの2台、そして他のチームの2台を加えた計4台がピットスタートとなった。しかも、伊沢に至ってはタイヤ交換のピットストップ時にもエンジンストールしてしまい、一時10番手まで順位を上げておきながらも、最下位まで順位を下げることになってしまった。
「ピットに入った時も一緒で、ピットロード入って、もうクラッチ切った瞬間にストール。クラッチ切るとエンジン回転数が下がるので、オイルプレッシャーが下がっちゃう。そしてオイルプレッシャーがあるところまで下がると、自動的に(電源が)落ちてしまう。まだエンジン屋がこれから調べるので原因は分からないですけど、データ的にはそのような状況です。チームメイトのクルマも同じだったので、エンジンの問題。僕じゃないです。僕のせいじゃないです」
前のクルマの背後に付くとブレーキの冷却の問題で効きが悪くなってしまっため、抜くチャンスが難しかったという伊沢。それでもソフトタイヤに履き替えた後、その時点では最速となるタイムを更新。一度、コースを飛び出てしまってタイムがばらついてしまったが、伊沢本人としては結果20位ながら、ある程度の手応えも感じている。
「決勝中に走っていて、コースの走り方はいろいろ見つけられた(笑)。走る時間がきちんとあれば、だいぶ、分かってきました。今回、スタートがどうなるか楽しみだったのですけど、それができなかったので、まず明日、そこをきちんと決めたい。今日のレースを見ても、抜くのはちょっと難しいかもしれないですけど、レースペースは相変わらずいいので、明日のレースはなんとかポイントは獲得できなくても、ちょっとでも雨に上がっていきたい。このサーキットでの抜きどころはほとんどないですが、当たるの覚悟で行かないといけない」
明日のレース2、そのスタートを決めることができれば、伊沢の未来はまた一歩、明るくなる。