全日本F3第3戦でポール・トゥ・ウインを飾った松下信治(HFDP RACING F312) 今季唯一の3連戦となる全日本F3選手権の第2ラウンドが、ツインリンクもてぎで開催され、最初のレースとなる第3戦では松下信治(HFDP RACING F312)がポール・トゥ・ウィンを達成。嬉しい初優勝を飾った。F3-Nでは、久保凛太郎(CG ROBOTル・ボーセF308)が今季2勝目をマークしている。
土曜日の午前に予選が2回行われ、そのいずれも松下がポールポジションを獲得。2番手、3番手にも2戦とも山下健太(PETRONAS TOM'S F314)、高星明誠(B-MAX NDDP F312)がつけることとなった。F3-Nクラスでは第3戦が小泉洋史(Net Move Hanashima Racing)が、そして第4戦が山口大陸(TAIROKU EXCEED)がトップで、ともに初めてのポールスタートとなる。
予選終了から3時間あまり。14周で争われる第3戦決勝レースのスタートが切られることになった。ここで絶妙のダッシュを決めたのが松下と高星。そのため、山下が高星に1コーナーでアウトから並ばれるも、なんとかガードを固めて逆転を許さず。その後も激しいバトルが続いたこともあり、松下はこの1周だけで2秒以上のリードを築くことに。逆に山下を必死に追うあまり、ミスを冒した高星を勝田貴元(PETRONAS TOM'S F312)がパス。その高星も3周目には再逆転を果たすが、山下もその間に差を広げていた。
オーバーオールを争う上位陣が早々と単独走行になったのとは対照的に、最後まで激しくトップが競われたのがF3-Nだった。まずポールの小泉がエンジンストールによって4番手にまで後退。これにより、久保がトップに浮上し、その背後に三浦愛(EXEDY RACING F307)が続く。
一方、オープニングラップのうちに3番手に上がった小泉は、続けて三浦に迫り、3周目には2番手に。その勢いを保ったまま久保にも迫っていった。ゴールまでコンマ差での戦いを続けるも、久保も隙を見せず。辛くも逃げ切りを果たした久保が今季2勝目をマーク。小泉、三浦の順でフィニッシュした。
オープニングラップで築いたリードを最後まで保ち、逃げ切った松下はこれが初優勝。「1年間経験を積ませていただいて、だんだんとエンジンの特性も理解し、もてぎにあったセッティングチームがしてくれて、というのがつながったんだと思います」と、待ちに待った結果に松下は笑顔を見せた。
(秦 直之)