インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで開催されているベライゾン・インディカー・シリーズ第4戦。9日に行われた予選では、KV/AFSレーシングのセバスチャン・サーベドラが初のポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(AJフォイト)は、Q1で敗退となり16番手から決勝レースに挑む。
このオフの間に改修がされたインディアナポリス・モータースピードウェイ内部のロードコースは、全長2.439マイルに14個のコーナーが設けられている。非常にスムーズな路面、2本の長いストレート、いずれもインディカー・シリーズで他に似たもののないユニークなサーキットが誕生した。
そのコースで行われる初めてのレースに向け、今日は予選が開催された。4月下旬に1日間のテストが行われ、昨日は45分間のプラクティスが2回、ドライコンディションで行われた。ところが、予選直前のプラクティスはウエットコンディションとなった。今日のインディアナポリスには大きな雨雲が迫って来ており、予選も雨になる可能性が強いと見られていた。
しかし、予選の第1セグメントは2グループともドライコンディションでの戦いとなった。グループ1ではサイモン・ペジナウ(シュミット・ピーターソン・ハミルトン)が1分9秒6716のトップタイムをレッドタイヤでマーク。ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)、セバスチャン・サーベドラ、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がQ2へと進んだ。
プラクティスで好調を保っていたジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン)、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)が意外にもここで敗退した。今回はグループ1のメンバーの方が強豪揃いだった。
グループ2ではファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)が1分9秒9004でトップ。セバスチャン・ブルデー(KVSHレーシング)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)とトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)、グラハム・レイホール(RLLR)、そしてジャック・ホークスワース(BHA)がQ2へと駒を進め、佐藤琢磨、ライアン・ブリスコ(チップ・ガナッシ)が敗退した。
トップ12によるQ2(10分間)は、予選開始直前に雨が降り、ウエットタイヤでの戦いとなった。ここでルーキーのホークスワースが1分23秒8817のトップタイムをマーク! ブルデー、モントーヤ、カナーン、カストロネベス、ヒンチクリフ、レイホールがファイナルに進めなかった。
ビッグネームがファイナルを逃した中、サーベドラが5番手でファイナルへと初進出した。もちろん、トップタイムだったホークスワースもQ3は初めてだ。
ホークスワース、パワー、ディクソン、ハンター-レイ、サーベドラ、ペジナウというメンバーで争われることになったQ3は、その開始直前にQ2の前以上に強い雨が降った。この雨はあまりに強過ぎ、予選は一端始められた後、すぐさま赤旗になった。そして、10分間の予選が再度開催されることになった。
たったの14分間だけの遅れで二度目のグリーンフラッグは降られた。この時にはもう雨は止んでいた。そして、路面がどんどんと乾いて行く中でのアタック合戦が繰り広げられた。
ここではサーベドラが1分23秒8822でトップに立つ。それをハンター-レイが1分23秒8480で抜き、トップの座を奪った。
ところが、路面が乾き続けるコンディション下、さらなるタイム短縮をしてポールを確定させようとしていたハンター-レイが、最終コーナーでスピンし、リヤから壁にクラッシュ! 赤旗が出されると同時にチェッカーフラッグも振られ、予選は終了した。ハンター-レイは赤旗を出す理由を作ったためにベスト2ラップが取り消し。それでも彼は3位となったが、栄えある初開催のグランプリ・オブ・インディアナポリスのポールポジションは、ウエットコンディションで素晴らしい走りを見せ続けたサーベドラのものとなった。
2010年のインディ500でデビューして以来41レースに参戦し、ベストが6位だったコロンビア出身ドライバーは、初めてのポールポジションを掴んだ。
予選2番手はルーキーのホークスワースのものとなった。3番手はハンター-レイで、4番手はペジナウ。5、6番手はパワーとディクソンという順だった。
「雨は大好きさ!」とサーベドラ。「今日の予選は路面がどんな状態になるのかがいっさい読めなかった。ドライになる可能性もあった。昨日のプラクティスでは暑いコンディションで僕らは速かった。しかし、まだマシンは納得の行く状態には仕上がっていなかった。雨に対する準備も全然だった」
「それが、今朝のウエットでのプラクティスでマシンが大幅に改善された。予選はドライからウエット、ヘビーウエット、ドライ、またウエットと目まぐるしく状況が変化した。それを僕は楽しんでいたよ。ポール獲得ができて最高に嬉しいね」
(Report by Masahiko Amano / Amano e Associati)