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10日からスーパーGTのSUGO公式テスト開催。GT500の空力に変化!?

2014年05月09日 22:20  AUTOSPORT web

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スポーツランドSUGOに持ち込まれたKEIHIN NSX CONCEPT-GTは、ロードラッグ仕様のままだ。
スーパーGTは5月3日~4日に第2戦富士を終えたばかりだが、10日から宮城県のスポーツランドSUGOでGT500クラスが15台、GT300クラスは11台が参加し公式テストがスタートする。すでに車両がSUGOには運び込まれているが、GT500クラスの車両はちょっとした変化が見られている。

 今季からスーパーGT500クラスはDTMドイツツーリングカー選手権と車両規定を統一化。レクサスRC F、ニッサンGT-RニスモGT500、そしてMRのJAF-GT規定車両としてホンダNSXコンセプト-GTが参戦している。

 すでに第1戦岡山、第2戦富士とレースを終え、低~中速サーキット用のハイダウンフォース仕様、富士用のロードラッグ仕様という2パターンの空力パッケージが実戦を戦っているが、今季のGT500クラスの車両規定では、昨年までのようにシーズン中の空力開発は禁止されており、開幕前に登録された2種類のボディは変更することができない。

 今回の公式テストは、オートポリスでの第3戦、スポーツランドSUGOでの第4戦を見据えてのものとなるが、SUGOに持ち込まれた3メーカーのマシンには空力パッケージにバラつきがみられる。本来SUGOはハイダウンフォース仕様が使用されるが、レクサスRC Fはハイダウンフォース、ホンダNSXコンセプト-GTはロードラッグが持ち込まれている。一方、ニッサンGT-Rは見た目はハイダウンフォース仕様だが、シャシー下面に今までにないものが装着されている。

 今季のGT500/DTM車両の車体アンダーフロアは、巨大なダウンフォースを生み出すフロントスプリッター、ディフューザーが前後にあるが、SUGOのGT-Rにはフロントスプリッターにはリバースガーニーが、ディフューザーの奥(車体中央側)にはガーニーフラップが装着されている。この前後のガーニーは、DTMで“タクシーライド”と呼ばれる、ファンを乗せる同乗走行の際にダウンフォースを減らすために使用されるものだという。

 このガーニーフラップについての意図はまだ正確には分からないが、スーパーGT第2戦富士の定例記者会見でGTA坂東正明代表は、「やはりダウンフォースが今季の車両が速くなっている要素。速いレースを狙ってきた部分があるので、速くなってもらうには結構だが、あとは安全性を確立できる状況がなければならない。DTMよりもハイパワーなエンジンの出力、タイヤの進化、コンペティション、路面のミューの高さ。この違いが大きく出ていて、今までよりも全開でいける部分が多くなっている。その状態でバトルをして、もし当たった時にエスケープの広さという問題がある」と語っていた。

「スピンした時に今までだったらグラベルで止まっていたのが、今年はタイヤバリアまでいっていることが多い。富士ならエスケープは広いが、狭いサーキットに対してどうしていくか。我々は速いレースを目指しているが、それに対して安全性をどう確保していくか。今の日本のレースが開催されるサーキットの中で、どれが見せられるレースなのかを見極めながら、一歩ずつ進んでいかなければならない」

 この坂東代表の発言と、今回見られたガーニーフラップとの関係はまだ定かではないが、タイトなSUGOでダウンフォースをある程度抑制し安全性を高める可能性がある。いずれにしろ、明日の時点で3メーカーのエアロパッケージがどうなっているかを楽しみにしたいところだ。