アメリカのホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)は3日、来季に向けて開発しているクローズドLMP2『HPD ARX-04b』を、エクストリームスピード・モータースポーツ(ESM)に供給すると発表した。ESMの2015年のレースプログラムに合わせて、2台を供給するという。
アメリカン・ホンダモーターのモータースポーツ活動を担っているHPDはこれまで、LMP1/LMP2クラス向けのHPD ARX(アキュラ・レーシング・エクスペリメンタル)シリーズにホンダエンジンを搭載しリリース。4月には、最新のLMP2規定に準拠した新LMP2カーのHPD ARX-04bを、来季に向けて開発していると発表していた。
一方、テキーラ・パトロンカラーに彩られたマシンでも知られるESMは、アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)のLMP2クラスに昨シーズンからHPD ARX-03b・ホンダを投入。ALMSとグランダムの統合によって今季からスタートしたUSCCにも引き続き参戦し、先日行われた第4戦ラグナセカではLMP2勢での初勝利を挙げている。
「ESMとテキーラ・パトロンは、2015年の新たなARX-04bクーペとともにホンダ/HPDとの関係性を継続することができ、とてもわくわくしているんだ」と語るのは、チームを率いるとともに自らもドライバーを務めるスコット・シャープ。
HPDのリリースによると、エクストリームスピードは、15年シーズンもUSCCに参戦する予定となっているほか、ル・マン24時間に初挑戦することも検討しているのだという。
「ESMが2015年のレースプログラムに向けてHPD ARX-04bクーペを選んでくれて非常に嬉しく思っている」と語るのはHPDの副社長兼COOのスティーブ・エリクセン。
「成功を収めている我々のパートナーシップが続いていき、ESMのル・マン24時間初挑戦を支援できることを楽しみにしているよ。(ル・マンの)LMP2クラスで、HPDは過去4年間で2勝を挙げているからね」
ARXシリーズにとって初のクローズドカーとなるHPD ARX-04bは、イギリスのワース・リサーチ社がデザインを担当。エンジンは、2011年からHPD ARXシリーズに搭載され、セブリング12時間やル・マン24時間での優勝実績も持つLMP2用の2.8リッターV6直噴ツインターボエンジン『HR28TT』を搭載している。